第1話:永遠への扉にノックを (Knockin' on Eternal's Door)・放浪03

「――俺らに動く気力がないなら、相手がこっちに来るようにすればいい!!」


 寝転んだまま威勢よく叫んだらスッキリしてきた。そもそも、俺達が工房街ドレッドノートを目指していた理由はラニアケア少佐の再奪還にあった。11年前の首脳会議にて一度は攫ったはずのラニアケアは、訳あって今は工房街ドレッドノートに軟禁されている。その情報を掴んだ俺達は工房街ドレッドノートを目指して、この果てしなく続く砂漠の高速道路に来ていたのだ。俺自身、11年前のラニアケア少佐拉致事件でその悪名を更に轟かせ、世界一の凶悪犯として指名手配されていた。そんな、追われてこその大怪盗が、追い求めてどうするというのだ。


「寝たまま何がしたいって言うの。説明して、カムイ」

「忘れたのか?工房街ドレッドノートは街そのものが機械仕掛けの巨大な移動要塞なんだよ。ほぼロボットみたいなもんさ。そして、俺は世界一の指名手配凶悪犯。俺がここにいると声高らかに宣言すれば、街から警察が来るか、俺を捕まえて一攫千金を夢見るゴロツキが来るか……あるいは両方とも来るかだ」

「へえ~自首でもしたいわけ?『ラットボーイ』が聞いて呆れるわね」

「バーカ。どっちが現れようが、相手の所持品を横取りするんだよ。怪盗の本業だろうが。そして、それを全部君のニルヴァーナに貢いで今度こそ工房街ドレッドノートへたどり着くって寸法よ」


威勢よく豪語したものの、自分でも知っていた。なんともお粗末な作戦だという事を。しかし、




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