循環

Rotten flower

第1話

僕もついに社会に出るのか。学生時代の色々を思い出しながらいつのまにか泣いてしまった。

「おい、泣くなよ。」

隣の友が宥めてくれた。俺だって泣きたくないさ。こんなところで泣くなんてダサいすぎるだろ。僕。

「別に泣いてないし。」

こういうのを強がりと呼ぶのだろう。少し恥ずかしくなってしまった。

今日の日のために母も父も協力してくれた。兄弟がいないからこその特権だろうか。僕のリボンは綺麗に染まっている。

淡い赤色は僕の旅立ちを応援しているような感覚がした。僕は天を仰ぎ感謝した。

一緒に社会に出るこの仲間も、きっとこういう決断をしているのだろうか。また涙が。

「それでは、母親父親への感謝の言葉。代表、セツナ・コロブ」

立ち上がり台に登る。しっかりしていそうな人だ。

「お母さん、お父さん。このリボンはを受け継いだ大切なものとして大切に扱うよ。」


僕のリボンもその人のリボンもあかく綺麗に染まっていた。

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