第23話 やはり乗るならば…

汗だくで帰宅したリナは、制服を脱ぎブラウスを洗濯機に入れると37度のシャワーを浴び始める。

汗だくの状態で家の中でいるなんてベタベタして気持ち悪いので夏は家に帰ったらすぐにシャワーを浴びるようにしている。

シャンプー、コンディショナー、トリートメントの順に手際良く済ませると、ボディソープを手に取って身体を洗うとシャワーで綺麗に洗い流す。

15分程の入浴をすると、リナは風呂から上がって入念に髪をバスタオルで拭くと下着だけ着て髪をドライヤーで乾かした。

髪が長いと乾かすのが面倒に感じるので、いつもショートにしたいと思ってしまう。

中学の頃の体操着の半袖短パンを夏のパジャマ代わりにしてるので、それを着たリナはスマホを置いてあるリビングに向かった。


「さっきからLINEの通知が鳴ってたわよ」


母にそう言われてリナは慌ててスマホを確認すると、内容はフランと健人がしょうもない内容でグループトークで盛り上がってるだけだった。

リナはこの2人とグループラインを作っており、3人で暇な時トークしている。

リナは「風呂リダ行ってた〜」と適当に一言だけ乱入すると、トーク画面を舞華との個人トークに切り替えた。

トークでやり取りするよりLINE通話した方がいいと思ったので舞華に「今、通話大丈夫ですか?」と確認のLINEを送信すると5分くらいした後にOKの返信がきたのでリナは音声通話を開始した。


『もしもしもしもしぃ〜、リナちゃんどうしたの〜??』


今日は早めに自転車屋の仕事を切り上げたという舞華は、ちょうど事務所でスーパーカップのアイスを食べていた所だと言う。

リナは無事に免許を取得できたことを告げると、250ccのバイクで安くて程度良いバイクがないか聞いてみる。

4ストか2ストのどちらがいいのか聞かれたが、リナが最終的に乗りたいバイクはKawasakiのZ2なので4ストのバイクが欲しいと伝える。


『確か実家に1台だけ4ストのニーハンで凄いのがあったと思った!昔、父さんが乗ってたやつなんだけど引っ張り出してみる!家に帰ったら写真送るよー』


舞華がそう言うと2人はバイクの話を少しした後に通話を切った。

やはり舞華に聞いて正解だった。

あの雰囲気は、なかなか期待できそうな車両の写真が送られてきそうな感じだ。

どんなバイクなんだろうと想像していると妹のリサが近くにやってきた。


「おねーちゃん!ゲームやろう!」


舞華からLINEが送られてくるまで何もしないで待っていても暇なので、リサとゲームして待っていればいい暇つぶしになるだろう。


「おっ、いいよぉ〜!おねーちゃん本気出しちゃうぞぉ〜」


姉妹で仲良さそうにゲームをしている姿を見て、母は優しく微笑んでいた。




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