第11話 旅の準備

真夏の炎天下の中、リナとフランは通学路を歩いていた。

今日は夏休み前の1学期最後の学校だったので、早く学校が終わった。


「あっちぃー…ほんと地球おかしいわ!それはそうと、リナは明日から茨城に行くんだったよね?」


フランがうちわを扇ぎながら聞いてきたので「そうだよー」とリナは嬉しそうに言った。

夏休みに茨城へ免許取得の為の言ってしまえばバイク修行へ行くことは、フランには学校で既に話している。

フラン的には夏休みは、リナと遠くへ遊びに行きたかったみたいだが幼馴染の親友が目標に向かって頑張るので応援することにしたようだ。


「フランは、バイクの免許取らないの?」


リナは、何気にフランに聞いてみた。

前にフランもバイクの免許を取りたいと言ってたことがある。

まぁ…フランの場合は、完全にリナから影響を受けて免許を取ろうかな?的な感じなのだが…


「うーん…欲しいけど現実的ではないしなぁ…、それにアタシの場合はリナに影響受けて何となくって感じだし、一発試験で頑張って取るほどの意欲はないかな」


フランがそう言うと「そっか…」とリナはちょっと残念そうだった。

まぁでもフランの言うこともわからなくもない。

正直、一発試験しか手段がないのは取得する側としたら都合が悪い。

何回も試験を受ける羽目になるかもしれないし、わりと2、3回で受かるかもしれない。

こればかりはやってないとわからない。


リナとフランは、家の近くまで来るとここからは方向が違うのでお互いに手を振りながら別れた。


家に帰ったら明日から茨城に行くので荷造りをしなければならない。

リナはフランと別れたあとに1人で歩くこの道が好きだ。

1人で歩いているとなんだか気持ちがリフレッシュされて、嫌なことがあっても忘れることができる。


「ただいまー」


リナはそう言いながら家の玄関をあけると、いつもなら妹のリサが抱きついてくるのだが何処にもいない。

母に聞いてみたらどうやら友達の家に遊びに行ってるようだ。


リナは自室に入ると、制服からラフな格好に着替えた。

数週間留守にするので大きめのキャリーケースが必要になるだろう。

母から借りたキャリーケースに着替えの服や、日用品を詰め込むと持っていく物に抜けはないか確かめる。

特に問題はなさそうなのでリナはキャリーケースを閉じてロックした。


とりあえず明日の荷造りが終わったリナは、早めの風呂に入った。

風呂から上がると妹のリサが帰ってきていた。

リナと一緒に風呂に入りたかったのか、先に入ってしまったのでリサは少々不機嫌になってしまったが晩飯が好物のカレーライスだったのですぐに機嫌を直した。

そういう所は、まだまだ子供らしい(笑)


晩飯も食べ終わって時間はまだ21時だが、明日は始発の電車で茨城に向かうのでリナは就寝することにした。

こんな時間に寝るなんて小学生以来だろうか?


リナは自室のベッドにダイブすると、仰向けになって天井を見た。


「明日からしばらく茨城か…」


リナはそう小声で呟くと部屋の電気を消した。


緊張して眠れないかと思ったが、リナは無意識に目を閉じて眠りについた。


たまには早く寝るのも良い…

明日の朝が楽しみだ。




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