最速の探索者、配信でバズる〜J K2人でダンジョン探索! 「再生数すごっ! 馬の顔がついたバイクでダンジョンを駆け抜けただけなんだけど?」〜

神伊 咲児

プロローグ なんでこんなことになった!?

「うわぁ! ちょ、マジィ!? バイクでダンジョン潜るのぉお!?」


 と、少女の操縦するバイクはダンジョンの入り口に向かう。


「いやいやいやいや! 階段階段ーーーー!!」


 バイクのメーカーはわからない。

 そのパーツは鍾乳石のような材質。ハンドル、マフラー、エンジンに至るまで白い石のようだった。

 バイクはそのままダンジョンの入り口に突入する。


ガタガタガタガタガターーーー!!


「無茶無茶ーー!!」


 彼女の名前は 市御いちご ひとえ

 16歳の高校一年生。

 今、人生初。ダンジョン攻略生配信中である。


 コメントは沸きに沸いていた。


『ちょwwww』

『速っww』

『どういう状態!?』

『何に乗ってダンジョン入ってんの!?』

『女の子だよね?』

『説明しろしwww』

『揺れてる揺れてるw』

『揺れすぎwww』

『速い速いw』

『落ち着けwwwww』


 階段は急カーブに差し掛かる。

 接近するのは壁だった。



「いや、無理だってぶつかるぅうううッ!!」



 ギャン!!


 バイクの前輪は馬の脚に変化した。

 それは力強く壁を蹴る。

 

「ま、曲がれたーー!!」


 こんなことになったのにはわけがある。

 少し時間を遡ってみよう。

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