奇病と特殊性癖
創作集団「Literature」
玉響/DtoO――OtoD
Side――D
「オレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃ……オレはお前の……オレは……」
ずっと、そんな言葉の繰り返し。小一時間ずっとこれ。せめて部屋に入れてほしいんだけど。
「グスッ……うぅ……オレはあ……」
あーもうわかったから。問い詰めて悪かったよ。
「その泣き顔も良いね。見えてないけど」
あっやべ。本音と建前逆になっちゃった。
「うわあああああん!! もう、もうやめてよお……」
インターホンの前で盛大に泣き出す。ここまで来ると流石の僕でも罪悪感……感じるわけないよね☆
ほんとにかわいい。どうしよう、ほんっとに可哀い。
「お前……は……れい……」
「ん? なあに? よく聞こえない」
やっと嗚咽がおさまったか。何か言ってくれたけど、冗談抜きで聞き取れなかった。もう一回言ってくれるかな。
「ごめんね。聞き取れなかったから、もう一回言ってくれる?」
「やだ」
クッソ。
「帰って。絶対家の中にいれないから」
うーわ突き放された。最悪。でもこの子、こうなったら絶対聞かないからなあ。今日は諦めるか。
「わかったよ。帰るね。ばいばい」
今日はあっさり帰る様子を見せる。
まあ、明日も来るけど。
Side――O
「オレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃないオレはお前の恋人じゃ……オレはお前の……オレは……」
ここんとこ毎日夜中に家に来る、自称オレの恋人。ここまでならちょっとやばいストーカーで済んだんだけど、泣き顔見せてとか言ってくるから普通のストーカーのほうが良かった。いや、ストーカーに良いも悪いもないけど。
「グスッ……うぅ……オレはあ……」
流石に精神やられるし泣けてくるんだけど。
「その泣き顔も良いね(まあ見えてないけど)」
ヒッ! もうやだコイツ……。ていうか、インターホンのモニターに近づきすぎでしょ。もはや顔見えない。何? 透視? インターホンから透視しようとしてる?
「うわあああああん!! もう、もうやめてよお……」
こっちは映像がある分余計に怖いんだよ……あれ、でもコイツ、すんごいキレーな眼してるな。うわ、やばい。かわいい、かわいい、ほしい、かも。
「お前の、眼は、きれい」
「ん? なあに? よく聞こえない」
気がついたら言ってた。幸か不幸かコイツには聞こえてない。よかった。
「ごめんね。聞き取れなかったから、もう一回言ってくれる?」
「やだ」
言うわけない。
「帰って。絶対家の中にいれないから」
もういっそ突き放したらどうだろうか。
「わかったよ。帰るね。ばいばい」
意外にもあっさり帰ってくれた。
でも、明日も来るんだろうな。
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