捻くれ者が異世界で。

自由な人。

プロローグ

これは、ある1人の“捻くれ者”と呼ばれる青年の物語。


青年は孤独だった。

周りに友達や家族も居たが真の意味では孤独でしかなかった。

誰の言葉も信用できず、誰の言葉も届かない。


青年を救ってくれる人はこの現代において存在しては居なかった。

青年も救われたいとは一切思っていなかった。


青年は、世界において自分が必要とされていない事を自覚していた。

青年は必要とされていないのが悲しいとは感じなかった。

期待や頼りは重く感じ、誰からも干渉されず自由に生きたかった。


大学3年になり、就職活動が始まりだした。

青年は考えた。自分には何ができて何になれるだろうか。と。

しかし、何も思いつかなかった。

自分は身体に大きな障害はなく、頭も別に悪くなく、何事も人並みに努力すればそれなりにでき、苦手なものはほぼなかった。

しかし、青年には目標がなかった。目的がなかった。


青年の夢は、生きていけるだけの金があり、それなりの食べ物が食べれてそれなりに運動ができ、好きな時に寝て、好きな時に起きる。

誰にも干渉されずやりたいことだけをやる。そんな自由で素朴な暮らしだった。


しかし現代においてはそれはとても難しい。

何をするのにもお金がかかり、どこへ行こうともしがらみができる。

青年にとっては生きているだけでマイナス収支の世の中だった。


青年は就活に苦しむ中考えついてしまった。

嫌なことまでして生きていたくはない。と。 

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