第28話 瀬戸電の女子高生たち
その頃僕は名古屋駅にある予備校に通っていた、年齢は既に20代後半に差し掛かっていた。 朝8時か9時頃瀬戸電で名古屋駅まで行って、予備校の授業を受けて夕方瀬戸電で帰ってくる。帰りはちょうど高校生が、学校から帰る時間と重なる。瀬戸電の沿線には女子高が多かった。男子校もあったが女子校の方が圧倒的に多かった。 だから3時頃に予備校が終わって帰る頃には、電車の中は女子校生だらけになっていた。ほぼ毎日そんなん感じだった。
ある時僕が予備校から帰る電車の中で参考書なんか見ていると、女子高生たちが4、5人ボクの席を囲んだ。あなた大学生? 彼女いるの?とか色々話しかけてくる。女子高生達はどうやら僕を大学生ぐらいだと勝手に思い込んでいるらしい。その頃僕はもう二十代半ばを過ぎていたけれども、まあそんな風に見えるなら別にいいやと思っていた。 女子高生に取り囲まれて話しをすることに僕は慣れていなかったので、黙っていた。そうするとなんで黙ってるのとか、どこ行くの?とか、どんどん聞いてくる。なかにはちょっとそこ座っていいとか言って、僕の膝の上に座ろうとする娘もいた。僕は、なんだろうこの子達はと思ってびっくりしていた。ほぼ1日おきぐらいにそんなことが始終あった。
とにかく午後3時過ぎの下りの瀬戸電はすごかった。女子高生って凄いなあと思った。
大量の女子高生が乗り込んでくる。 電車の中は女の子ばっかりになってしまう。男が一人
に女子高生が 40人 50人という感じだ。 今なら嬉しがっているかもしれないがその頃の僕は女の子に全く慣れていなくて、ただ黙って普通にしていた。全く何をしていてもほっておいてくれない。必ず何かしら話しかけてきて、本を持ってかれたり、鞄を開けようとされたりいろんなことをされた。とにかく女の子達は積極的ですごかった。俺みたいな何でもないような男でもこんなになるんだから、イケメンだったらどんなにすごいんだろうと、今更のように思ってしまう。とにかく若さなのか何なのか女子校生のパワーはすごかった。今も昔もそこは変わらないと思う。あの時今みたいに多少は女の子に慣れていたら全然違ったんだろうなと思った。
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