第15話 ナンパ王から学ぶナンパ論

ナンパ王から学ぶナンパ論

あなたのナンパに対する考え方は、間違っていませんか。初めて会って、一声二声かけてすぐにホテルへ連れ込んでセックス。そういう考えじゃないですか?それもナンパかもしれませんが、ここで言うナンパはそうしたものだけを考えているわけではありません。

言ってみれば人生のナンパです。 本気で付き合って、恋をして、何なら結婚して、一生涯付き合える相手を探すためのナンパです。


僕の古い友人に、学生時代に名古屋のナンパ王と呼ばれていた男がいました。 もう10年以上も前の話ですが、確か中京テレビか何かで深夜にやっていた番組で、彼はそのナンパ大会みたいなものに優勝した男です。彼は、1位を何度か取りました。 いわゆるナンパ師とか、ナンパしているチャラい男とか、 パーティーピーポーみたいな男たちも出ていました。何か変わったことをしたり、おかしなことをして女の子たちを笑わそうとする人たちも出ていましたが、彼は安定してほぼ1位でした、ダントツの勝率でした。

彼のナンパの仕方は非常に穏やかな丁寧なものでした。言葉遣いは丁寧だし、おかしな行為とかおかしな動きはしません、無理に笑わそうとしてないから下手な冗談も言いません。普通に紳士的に女の子達を誘うだけなんです。だから女の子たちも彼の誘いには割と安心して乗ってくれました。それで優勝できたんです。ナンパですから一応番組を盛り上げるために、交差点の向こう側からこちら側に渡りきりまでに女の子に声をかけて、そして電話番号を聞く、またはお酒を飲むことを了解してもらえるか、どうかというようなナンパの内容でした。僕が見た回はそんなに短い間でも、彼は女の子の信用を勝ち取って女の子の電話番号をゲットしたり、一緒にお店に入ってくれるOKを取り付けたんです。もう一度言いますが、彼のナンパの仕方はとても紳士的でした、非常に丁寧に女の子に話しかけて奇抜な服装や奇抜なジョーク、変わった動きなんか何にもなかったです。ごくごく普通に女の子に声をかけて、話し合ってそして OK をもらう、これだけです。これだけでナンパ大会で優勝です。言ってみれば全く面白味はありませんでした。でも 彼が1位なのは間違いのないことです。彼も紳士的で真面目でしたが、その大会に出ていた女子たちも今思うといたってまじめな子たちでしたね。

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