【GL】とにかくチョロすぎて話がすぐに完結してしまう先輩が後輩に落とされた話
葉っぱ
第1話 とにかくチョロすぎて申し開きございません
登場人物 一人目
今日も変わり映えない一日が始まる。
いつもどおり満員電車に乗って、いつも通り会社に行く。
私は今年で28歳。結婚どうするのなんて親に言われているこの頃。パンツスタイルが多く髪の毛はいつも後ろで1つ縛り。化粧もそんなにこだわりはないけど、中高とバレーボールをやっていて背が高く、ヨガもやっているからスタイルは良い方だ。
セクハラの多い上司・先輩の機嫌を取りながら、後輩の面倒も見なくてはいけない中堅層ってところで、この会社に入ってから今が一番ストレスが溜まっている。
イライラしないよ。声を荒げないようにね。あと過食しないように。寝る前は仕事のことは考えない!と自分を戒める日々。
癒やしと言えば、最近始めたヨガと、、、百合漫画を読むこと。。私はどうも女性しか好きにならないらしい。
それと、、入社2年目の転職で入ってきた後輩に気になる子がいる。私とはタイプがまるで違うあの子。ふわっと柔らかい印象の、いつもニコニコと声のオクターブが私より2,3は高い感じ。語尾によくハートが付いているように思う。ああいう子が守りたくなるってやつだろうな。
「楓花先輩♡」みたいな感じね。あんなに可愛く懐いてくれているからこそ、私は話していてドギマギしてしまう。
登場人物二人目
私は今、途中入社してから2年目になる会社に気になる人がいる。女性の先輩なんだけど、背が高くてキリッとした顔がかっこいい。私が25歳で先輩は28歳。3つ上の頼れる人。
気になるって言ったけどかなり好きだったわ。仕事の話をしていて顔が近づくと、話なんて聞いてられない。目も好き、、唇も好き、、ってじっと見てしまう。黒いパンツスーツが執事に見える。ああ、壁ドンされたい。。
ちょっとガードがきつそうな感じもするけど、、でも私、見た目と違って結構肉食なんですよ。先輩大好きキャラも会社中に浸透するくらいにはちょろちょろ隣をついてまわった。そろそろプライベートでお近づきになりたい。
普段考えてること? 日頃の癒やし? そんなことより先輩のことしか考えてませんけど。
★ 肉食動き出す
ある金曜日の夕方。
定時になるとだんだんと仕事を切り上げてみんなが帰り出す。私も帰ろうかとしたとき、友梨がどうやら残業になりそうな、、帰り支度を始める気配がない。
「それ、まだ終わらないの?」
友梨のデスクに近づくと、後ろから肩を軽く叩いて聞いてみた。ちょっとでも触りたくて。女性同士ならセクハラだと思われないでしょ?
「来週じゃダメ? 手伝う?」
「あ、せんぱーい。もう10分くらいでまとめたら帰りますから大丈夫で・・・、あ。いや、ちょっとだけあとでチェックして欲しいです!少しだけお時間頂けますか?」
「おっけー。いいよ。じゃあ、自分のデスクで待ってるから終わったら声かけてね。」
「ありがとーございます!申し訳ないです!」
★★ 計算
「せんぱーい、終わりました!」
「ん、で? どこチェックする?」
「あ。多分大丈夫だと思うんです。来週もしかしたらお願いするかも知れません。」
「え、そうなの?ならまぁ、いいけど。」
「お待たせしてしまったのにすみません。良かったら一緒に帰りませんか?スタバでお詫びにコーヒーでも!」
「はは、いいよいいよ。奢ってもらうほどじゃないって。まぁ一緒に帰ろっか?」
「ハイ!嬉しいです♡」
★★★ ツンデレ発動
駅まで二人で歩く。
「友梨ちゃんって地下鉄だっけ?帰り。私はJRだけど。」
「私もJRです。あ。でも先輩、ちょっとだけ一緒にお酒飲みたいです。行きませんか?」
「うーん、まぁいいけど?」
「やった♡ 楓花先輩と飲みたかったです!」
(ぐっ、この感じが可愛いんだよね、、)
「私と飲んだって小言しか言わないんだからね?」
「えー、言われたいです♡」
★★★★ まだツンデレ中
二人で飲む。友梨のリクエストで個室のこじゃれ居酒屋へと入った。
「先輩、おかわり何にします?」
「ね、ちょっとペース速くない?まだ飲み始めて10分とかなんだけど?」
「大丈夫大丈夫♪ 先輩いつも飲み会でけろっとしてるじゃないですか。」
「いや、私はいいけど、貴方がペース速いって言ってるの!」
すごい勢いでビール2杯目に突入した二人。これちょっと酔うわ。ていうか可愛いわね。そんなに私と飲みたかったの?たまんないんだけど。
「先輩、、楓花先輩。私、先輩ともっと仲良くなりたいです。」
「え、って、十分仲良いでしょっ!二人で飲んでるくらいなんだから!」
「・・・違います!もっとってことです。」
「は?んー、休みの日に遊ぶとか?」
「それももちろんそうですけど、、あと・・・お泊まりとかしたいです。」
「うっ?、、まぁ、いいけど?」
むりムリ無理!二人きりで一晩なんて考えただけでお腹痛い。
「え、ホントですか?じゃあ、じゃあ今日泊まってもいいですか?」
友梨の勝負所。楓花の片手を取って上目遣いでお願いする。
「ううっ、、、まぁいいけど?自分で歩いてついてくるならね!?」
この時点で楓花の顔は真っ赤。ドギマギして耳まで熱くなっている。これはいけるんじゃないかと、友梨は楓花の手の甲を小指でそっとコショコショした。
(あっ!ちょっと・・・やばい!これは!なんなのこの甘い雰囲気は・・・!目が合わせられない!はぁっう!)
しどろもどろの楓花。完全に獲物を狙う気の友梨。
★★★★★ ツンエラーガタガタガタガタガタッ
押されるまま楓花は家に友梨を連れて帰る。
肉食はもう止まれなかった。玄関を抜け、初めて入る好きな人の部屋には奥にベッドがあった。あれが先輩のベッド、、、ああ、もう無理。
(怒られたらお酒のせいにしちゃおうね)
どさっと荷物を置くと、立ったまま楓花に抱きつく。わぁ。と反射的に声を出す楓花。
「先輩・・・。ずっと素敵だと思ってました。。」
思わぬ展開に驚き、ビクッと跳ね上がる楓花。
「ちょっ、まっ!なに言ってるの!?」
「私、、先輩のこと好きです。。先輩・・・ダメですか?私じゃ。」
「ダメとかどうとかじゃなくて、、!私たち仕事の関係だし!そもそも女同士でしょ!?」
「それのなにがダメなんですか?私が好きなのはそんなの関係ありません。先輩は私の気持ちだけに答えてください。先輩を好きではダメですか?」
楓花(え、ダメじゃないの?あれそうだっけ?)
「え、、それは、、ダメじゃないけど・・・。」
友梨「じゃ、好きでいて良いですか?私の好きは先輩とそういうこともしたいって意味ですよ?」
楓花「そういうことって、、、」
友梨「心も体も特別にってことです。触りたいし触られたいんです。」
楓花「そんな・・・急すぎる。。ちょっと待ちなさい。貴方、お酒飲んでるからって、、」
友梨「お酒のせいにして素直になったらダメですか?」
楓花「え、いや、それは、、」
友梨「ダメですか?」
楓花「や、、ダメ・・・では、ないけど、、、。」
友梨(もう一押し。)
「先輩は少しも私のこと好きじゃないですか??」
楓花「それは、、懐いてくれているし、好きは好きだけど・・・」
友梨「じゃあ、いいですか?」
楓花「ななな、なにがぁ?」
楓花の首に両手を回す友梨。あと数センチで唇がつくほどに近づいて見つめる。
「付き合ってください。後悔させません。」
「は、はぁ?なにを言って・・・なにをいっ・・・」
んぅっ?
間髪いれず、友梨は楓花の口を自分の唇でふさいだ。
(あああ!キスしてる!キスしてる!ああああ!)
ちょっ、んんっ!ぷはっ!
驚いた顔をして顔をのけぞらせる楓花。
「付き合ってください。好きです、先輩。ダメですか?」
「はっ、、!? いひゃ、えっと」
「いいですか?」
「あうっ、、、あの、」
「先輩、私のこと好きじゃないですか?」
「・・・・・・・ああっ!もう!好きって言うか、、す、好きなんじゃないかな!わかんないけど。好きかなって思うけど!」
「ああ、先輩♡ うれしいです♡」
飛びつかれてさらにキスが降ってくる。唇を舌でこじ開けられ、されるままに侵入を許した。
数分して、ようやく顔を離すと、真っ赤な顔をして呆けている楓花に、、
「ああ、楓花さん。そんなにかわいくてかっこいいのに。チョロすぎて逆にゾクゾクします♡」
「本当に、大好き。」
「・・・私も好き、、カナ?」 小声
「今日から付き合うんでいいですか?」
「え、うん。。。うそ?まじ?」
「マジ♡♡ 先輩。そんな可愛い先輩に、とりあえず今日は私がしますから♡」
ツンはエラーを起こしたまま、デレだけが二人が朝を迎えるのを見守った。
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この話の違う世界線もあとで別タイトルで書きます。パラレル~
【GL】とにかくチョロすぎて話がすぐに完結してしまう先輩が後輩に落とされた話 葉っぱ @gibeon
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