地獄の門の鍵

Rotten flower

第1話

「この街には伝説の勇者にしか開けれない秘密の門があるのです。」

ある町の長老が俺に向けてそんな話をした。なるほど。こいつは俺のことを伝説の勇者だと思いこんでいるのだな。

俺は伝説でもないただの神殿で契約を結んだ勇者だ。なんならほかの村で盗みや器物損害をして来た、クズである。

こんなに堂々できるのもこの街に来たのも警察から逃げるためだ。

「あぁ。俺ならその門とやらを開けられるだろうな。」

開けられるわけないだろう。ただのクズだ。こんな男に開けられるならそれは伝説でもなんでもない。


言われたところにたどり着いた。この門の歴史は古く勇者という存在が無いころから在ったらしい。

俺は長老から貰った金属の鍵を門の鍵穴あいかたに指すと軽い力で回ってしまった。

門が開く。渦。暗い空間。俺は後ろを振り向くと誰かに蹴られそこに落下ちてしまった。

下には同じ服装を着たような人たちが積もっていた。そう思うのもつかの間。門はしまった。




「よくやった。さすが我ら仲間。」

魔王が街の者に話しかける。

「勇者様がうまいことかかってくれたんですよ。」

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