誰カノ日記 拾った者の物語

@mohumohu0720

日記

家に帰ると、マンションの部屋の前に謎のノートが落ちていた。

「何これ?日記?」

同棲している彼氏に、気になって見せてみた。

彼は気になったのか読み始めた。

瑠菜るなも一緒に読もうぜ。」

人の日記を読むなんて、と一瞬思ったが、私も気になっていたので読んでしまった。

書いたのは小学一年生ぐらいだろうか、ほとんどがひらがなだった。

どうやら夏休みの絵日記らしい。1ページ目にはおばあちゃんの家(?)が書いてあった。

日記の内容から見るに、おそらくそうだろう。少し読めないところがあったが、まぁ普通の絵日記だった。

2ページ目では少し日付が飛んでいた。おばあちゃんの家でのお話だろう。おじいちゃんとはなぜ会えなかったのだろうか。スイカの絵が書いてあった。

3ページ目

「なんだよ...これ......」

彼は少し青ざめていた。なぜなら日付が

存在しない8月33日だったからだ。

内容も少しおかしかった。まだおじいちゃんに会えてないらしいのだが、塗りつぶされているところが所々あった。正直狂気を感じる。背筋がゾッとした。4日目

「うわっ!」

また彼が声を上げた。

その日からどんどんおかしくなっていったのだ。

そのあとなぜか8月3日に戻り、8月15日にはおばあちゃんも死んでいたり、おじいちゃんが死んでいたりした。そして26日目にはおじいちゃんがまた死んでいる....?。意味がわからなかった。

26日目以降は白紙だったが、最後のページに突然書き込まれていた。

『おばあちゃんのへやに■■■■■■■■■■■』と……。私は思わずノートを閉じた。

彼の様子もおかしい。何かブツブツしゃべっている。

耳を近づけると彼がなんていっているのかわかった。

彼はずっと同じ言葉を言っていた。怖かった。 私は急いで彼に声をかけようとしたその時、 『ピンポーン!』 インターホンがなった。外をインターホンで覗くとそこには首が異様に曲がった少年がいた。目は見開いており、口は三日月型になっていた。まるで笑っているようだ。しかし私には笑う余裕などもうない。そして気づいた。気づいてしまった。

あの少年こそが、日記の持ち主だと...

少年はずっと笑いながら何か呟いている。私が聞き耳を立てているとこんな言葉が聞こえてきた。

「おじいちゃんはどこ?」

彼はそう言った。私はその言葉にこう答えた。

「あなたのおじいさんは...もういないよ..。」

「ウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだウソだぁぁぁっ......」

そして突然涙を流しながら言った。

「本当はずっとわかってたんだった.....」

少年はおそらく大好きな祖父の死を信じたくなかったんだ。だから日記では2回もおじいちゃんが死んでいたのだろう。

少年はすうっと消えていった。

正気を失っていた彼も目を覚ましたようだ。

「あれ、瑠菜?俺たち今何してたっけ?」

彼は忘れてしまったようだ。

私は笑って言った。

「さぁ?なんだったんだろう?」

      完

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