俺の嫌いな上司

@goose351

第1話

地方の広告代理店。

学生の頃、広告代理店やってると言えば、それだけでモテるよ、と先輩にそそのかされて入ったはいいが…もういい、モテなくていい、静かに暮らしたい。


そんなギリギリの生活をしてる。


午後10時。

例のクソ使えない上司の尻拭いとして、取引先にお詫びの挨拶をして帰ってきた所。


「よ、お疲れー」

…じゃねーよ、オレはアンタの尻拭いで先方に謝りまくってきたとこだよ。


「大変だったねー。イヤな事は、飲んで忘れちゃおう!」


奢ってくれるのかと、思いきや会社宛のお歳暮の残りの生ぬるいビールを二本渡してきた。


イヤな事は飲んで忘れよう。

家に戻るとオレは生ぬるいままのビールを一気に飲み干した。



翌日。

仕事に向かう途中、駅で見知らぬ馴れ馴れしいオッサンに声をかけられた。

「昨日は大変だったねー」

あの、どちら様でしょうか?

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