38 懐古の愛猫

小六の茹だる夏の日、無愛想な猫と出会った。

餌を与えると、完食した猫は子猫の元へ行き、乳を与えていた。

それから毎日餌を与えても、猫は変わらず無愛想だった。

ある日、子猫が孤独に死んでいた。

あの猫は子猫を舐め、無意味な恩恵を与えていた。涙に似た汗が伝う。

あの猫はもう、無愛想でなかった。


2023/03/19 Twitterにて投稿

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