#5

 転送魔法の光が消えるとそこにはザ・ファンタジーな感じの町が広がっていた。


「この都にいる白い服を着た人のほとんどが精霊です。くれぐれも失礼のないように。」


「はい。」


 すると王家の使いが地図を渡してきた。


「こちらはこの都の地図になります。収穫祭は明日からなので今日のうちに教会で指示を受けてください。宿泊場所はリリルさんの親御さんが許可を出してくださいましたのでそちらへ向かってください。では、私はこれで失礼いたします。」


 そう言うと、王家の使いは帰ってしまった。


 数分後


「では、みなさんの役割を説明いたします。」


 俺達は教会で今回の任務について説明を受けていた。


「王家の皆さまは、明日から3日間この町に滞在されます。皆さんには昼12時から夕方6時までの王様の護衛をしていただきます。王家の皆さまが行く場所には必ずついていくこと。」


「はい。」


 俺は12時から夕方6時までの時間帯でよかったと思った。


 理由はパレードが無いからだ。


 王家のパレードは昔から早朝、深夜と相場が決まっているらしい。


 そして深夜のパレードの時間帯は何かしら事件が起こるという。


 リリルの情報によると昨年は仮装した観客の中に本物の魔族が混ざっていたり、一昨年は酔った観客により資材運搬用の馬車が破壊されていたりしたという。


 なんというか…仮装したり車両を壊したり、主催者が存在する渋ハロみたいなものなのだろう…


 ちょうど季節も秋終わりだし。


 俺がそんなことを考えているとリリルが口を開く。


「それでは私の家に案内します。」


 そうだ、今日はこいつの家に泊まるんだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る