#12

 おー!やっとまともそうな人来た!


その人は綺麗な赤い目にこげ茶色のポニーテール、腰に長い刀を携え、緋色の和の鎧を身に纏う、まさに"女侍"という感じの目の色以外は和の雰囲気を持つ、この世界にいると思わなかった和風ファンタジータイプの女性だ。


「わ、私ともう一人入りたいと言っている者がいて…」


「もう一人?いやちょっとそれは人数的に…」


「この聖剣、十束の剣(とつかのつるぎ)も、パーティーに入れてよいだろうか!?」


「あー、いいっs……え?」


「良かった。お前も入れるそうだ。良かったな!………ウン、ボク、ウレシイ!(裏声)」


 うん、変わり者だ。キャ〇テン翼の「ボールは友達!(物理的に)」と同じ考えの持ち主だ。


「あっさり入団許可されたが、一応私のカードを見せておく。」


「すごい!アドバンスフェンサーなんですか!?」


「なんだって!?俺はこのパーティーのアドバンスファイター、使う魔法は火炎魔法、名前はボブだ。よろしく。」


「私はアドバンスウィザード、リリルです!隕石魔法使います!」


 お、なんだなんだ?急にみんな自己紹介を始めたぞ!?


「あ、私もアドバンスウィザードなんだ~!音響魔法のベルよ!よろしくねぇ!」


 こいつ、もうべろんべろんに酔っぱらってやがる。


「あれ?ケンタローは自己紹介しないんですか?」


「リーダーのお前が一番自己紹介しなくちゃだろ。」


「そういえば、私まだ自己紹介聞いてないわね!」


「私も、若くしてパーティーの創設者のあなたの自己紹介を聞きたい。」


「………いやだ。」


「まさかですけど自分だけステータス明かさない訳ないですよね?“リーダー”?」


「自分だけ言わないなんてそんな卑怯なことするわけないよな?“リーダー”?」


「いいからいいから!私早く聞きたーい!」


 1人幼児がいる。


「……しょうがない。俺のステータス言ってやるよ!まず俺はすべての魔法を使える!」


「魔力1(-)ですけどね?」


「…あと魔力よりも運動神経のほうが高い…」


「運動神経3(-)だけどな?」


「……このパーティーのリーダーであり魔法使いをやっている。」


「でも、この人、最下級冒険者だ。」


「お前ら喋るんじゃねえ!」


 こいつら!!覚えてやがれ!!


「私はルル。アドバンスフェンサーで、五大聖剣の一つ、十束の剣と冒険を共にする。ほら、あいさつしなさい。……ヨロシク!!(裏声)」


 あー、この人ヤバイ。聖剣に選ばれて、しかもアドバンスフェンサーなのはすごいけど、剣と会話するのはちょっと…


 こんなメンバーで魔王なんて倒せんのか?

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