植物人間の救い方 ―前章―
九詰文登/クランチ
電車と掲示板
おまいら基地専用線っていう線路知ってる?
1:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇1
スタンドバイミーごっこしようと思って、ほぼ廃線になってる基地専用線歩いていたんだ
【jpg画像】
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〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇〇
鉄オタの話はいらんです
○:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇1
とりま出身福生なんだけど、多分福生市民だと知っていると思うんだよな、基地専用線
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇〇
>>〇
福生は市民じゃなくて州民なの草
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇〇
>>○
こちとら日本人なのでアメリカのことはちょっと
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇〇
>>〇
拝島の辺りから横田基地に伸びてる燃料輸送用の線路だろ?
廃線ではないだろ
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇1
週に二、三回程度しか使われてない線路は、東京の中では廃線みたいなもんだろ
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇〇
>>〇
てか線路内の立ち入りっていいの?
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇○
>>○
バレなきゃってことだろ?
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇〇
>>〇
え、これ通報したら逮捕実況見られる?
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇〇
>>〇
続き、はよ
〇:光合成してる名無しさん 2017/02/11(土) 〇:〇:〇.〇 ID:〇〇〇〇〇〇1
結構閑散とした線路の感じとか、一つしか伸びていない線路が街の中に突然現れるのとか凄い不思議な感覚になるんだよ
それで昨日もその雰囲気が好きでよく歩いていたんだけど、いつもと景色が違うんだよ。
『まもなくぅ吉祥寺ぃ。吉祥寺ぃ。終点です。中央線はお乗り換えです――』
そんな車内アナウンスを耳にした玲は、続きが気になるながらもスマホの画面を落とし、窓の外を見やった。薄らと電車の窓にこびり付いているのは、二月の下旬ごろから猛威を振るい始めたスギ花粉なのだろうが、生憎花粉症に無縁である玲は、車内に響く花粉症患者の鼻をすする音に不快感を覚え、イヤホンから流れる音楽の音量を上げた。
電車がホームにつくと、学生やサラリーマンなどが一斉に小さな電車の扉目がけて、流れを作り出していく。中には時間に焦っているのか、どんと人にぶつかりながら外へ躍り出る者もいた。
「ちっ」
肩をぶつけられ、少しよろめいた玲は、そんなことも見向きもせず中央線の改札へ走っていくサラリーマンの後ろ姿目がけて、鋭い舌打ちを放つ。
「おいおい、玲。朝っぱらから不機嫌じゃん? 眠そうな顔して」
そんなことを言いながら玲の肩を叩いたのは、同じ学校で同じクラスの
「悟か。おはよう。あんま寝てねー」
高校生ならではの寝ていない自慢を繰り出した玲を笑いながら悟はその理由を尋ねる。
「テスト期間来週からだろ? そんな早くから根詰めてたらもたないんじゃね?」
「いやいやテストなんて前日にしか勉強しねーよ。ラストオブアスやってた」
勉強かと思いきやゲームをやっていたと告白する玲に、悟は呆れながらも続ける。
「数年前のゲームだよなそれ」
「いや面白い実況があって、それ見てたらやりたくなって再ダウンロードしたわ」
「ゲームオブザイヤー取ってたもんな。名作だよ」
「最高だった」
「最高だったって一晩で?」
ラストオブアスはプレイステーション3という既に旧世代のゲーム機のゲームでありながら、プレイする映画というに言葉に即した重厚なストーリーが展開されるゲームであるために、どれだけ時間があっても一晩でクリアすることは不可能と言えた。
「いや流石にな。あのボリュームは一晩じゃ無理」
「そりゃそーか。で、どこまで行ったの?」
「んーヘンリーとサムが死んだ辺り」
「まだ中盤じゃん」
「始めるの遅かったんだよ。課題やってた」
玲のその言葉にはっと息を呑む悟の様子から、玲は今日もただで昼飯にありつけるとほくそ笑む。
「え、なんの? 今日提出の課題なんてあったっけ?」
まるで玲が嘘をついているかのようなリアクションをする悟に対し、玲は呆れをわかるように表しながらどの科目のどんな課題であったかを説明する。
「あれ今日までか!? やべえじゃん、なんもやってねえよ! 玲ぃ見せてくれ!」
「牛丼かラーメン」
いつもの通りの交換条件を出された悟はにやけながら「じゃ牛丼で」と告げる。
「また安い方かよ。じゃあ半分しか見せね」
不満そうに歩き始める玲の腕を両手でつかみながら、悟は玲をなんとか引き留めもう一度懇願する。
「ラーメン驕るから見せてくれぇ。ホープ軒でいいんだろ?」
「チャーシュー麺な」
「千円コースじゃねえかぁ!」
嫌そうに言う悟に、玲は続ける。
「嫌ならいいんだ」
「わかったわかった!」
「ほい」
玲は鞄からノートを取り出し、それを悟に渡した直後、大きなあくびをした。
「本当に眠そうだな」
「一限のあいつ寝てても怒らねえし、成績も下げねえから、そこで寝るわ。エリーと冒険してくる」
あくびによって出た涙をぬぐいながら、そう告げる玲に対し、悟は冷ややかな目で「玲、それは流石にキモイぞ」と玲の発現を注意した。
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