幼なじみから恋愛相談受けたのでヤンデレにしてみた。

猫丸

プロローグ

「ゆうくん、あのね私好きな人ができたの」


 放課後、一緒に隣を歩く幼なじみから驚きの言葉が出てくる。


「え?!できたのか?!あれだけ男に興味なさそうだった愛莉にか?!」


 愛莉は、モデル体型で黒髪ショートの美少女。小さい頃から見ている俺ですらそう思うのだから、他の男からは超絶美少女に見えてるだろう。


「……そんなことないんだけどなぁ。まあいっか。それでね、その人モテモテだから取られそうなの。だから手伝って?」


 そうか。とうとう愛莉にもこういう時期がきたのか。嬉しいような悲しいような。

 でも、ここは幼なじみとして、


「任せろ!愛莉の初恋絶対実らせてやる!」


 最大限のサポートをしよう。


「ありがとう、ゆうくん!」


 愛莉が嬉しそうに飛びついてくる。


「お前なあ、好きな人から勘違いされるかもだから安易に抱きついてくるのやめとけよ」


「えー、ゆうくんにしかしないから大丈夫だよー」


 はあ、こんなんで大丈夫かな。



◇◆◇◆◇◆



「あれは、愛莉ね。とうとう動いたの」


 彼らの後ろを歩く少女がいた。

 特徴は本を片手に持っていること。


「でもそれは予想通りよ」


 彼女はもう興味をなくしたのかすらりと背を向けて歩きだす。


「かわいそうね愛莉も。幼なじみは負けヒロインって何かの本で言ってたわ。だから、幼なじみ同士が結ばれることなんてないのよ。」



◆◇◆◇◆◇



「お嬢様、愛莉様が動きました」


 一つの部屋とは思えない広い部屋で、金髪の少女と、黒髪の少女が向かい合い座っている。


「まあ!うーん、どうしましょ?」


 少女が微笑みながら首を傾ける。


「妨害しますか?」


 黒髪の少女は表情を変えることなく発言する。


「そんな物騒なことは致しませんよ」


「では、無視で?」


「ええ、優良様が私以外のモノになるはずなんてないのですから。静かに見守っていればいいのですよ」


「はい。ですが、もしお嬢様以外の女が優良様と結ばれたら……」


「そのときは、殺します」


 変わらず笑顔を浮かべながら何てことないように言う。


「お任せください」


「冗談ですよ」


 おほほ、と口元を隠し高らかに笑う。

 黒髪の少女は相も変わらず無表情だった。



◇◆◇◆◇◆



「愛莉の好きな人って誰なんだろうな」


 うちの学校にそんなモテモテの人っていたっけな?

 イケメンはいるにはいるけど、愛莉が話しているのを見たことないな。

 つか、愛莉が男子と話すところを見たことがない。


「まあ、一目惚れって線もあるからな。さて、どうアドバイスしようか」


 俺はスマホを片手に調べてみる。


 へぇ、なるほど今はこんなのがいいのか。


「よし!俺は愛莉をヤンデレにする!」

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