ー赤15ー
ギ。
ギギ・・・。
ラジカセからは
乱れる雑音。
音楽に交じるー
ギギ・・・。
担当教諭は戻らない。
担当教諭は
注文していた印画紙を取りに。
ギギ・・・。
写真準備室
へ。
荷物の入ったダンボール。
小さく軽く。
大きくなくて重いというほどでも。
数段ある
階段というにはささやかな階段を上り
扉を2つばかり開ければ
いつもの準備室で。
荷物の入ったダンボールは
さほど大きくもなく、
重さも
そこまでということもなく。
手元の印画紙を
慎重に扱いながら
揺らす。
昼間撮った写真。
印画紙に浮かぶ。
ラジカセの雑音が
更に乱れる。
半地下気味の現像室では
電波の
今一つなのだろう。
乱れる雑音に交じって
流れていた音楽の背後に
なにか聞こえる。
印画紙のある水面に
写真の他にも
映っている。
水面に映る位置に
あったっけ。
頭上を見上げ。
天井を
周囲を見回し。
目に付いた
近くの
見て。
凝視して。
水面を見て。
水面に映る
近くの
同じ赤さ、
じゃない。
徐々に克明になる写真を背後に
水面に映る灯は
こちらを見ていた。
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