月の君

月の君

満ち欠けの日々

あの雪融けの向こう

君は豊かなる笑みを創り

そして まばゆ

消えてゆく


静寂は闇に震えるも

凛々しき君のかんばせ

あしたへ急ぐ足音を

げに麗しき月の君

今宵もまた

乗せた

の天国のフルートの

囁くような産声に

(無言の新芽の勇気で

 望むのは

 祈るのは

 誰)


……嗚呼

私かも知れない

いつも眠気ねむたげ

朧気おぼろげな光の服の

一等星の安らぐボタン

穏やかに掛け違えながら


月の君

私の 私の麗しき月の君


貴女は きっと


私かも知れない







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