大聖女の公表
お知らせです。
本日も読んでいただきありがとうございます!
X(旧Twitter)のアカウントを作成し、
キース、シーラ、セスのイメージ画像を投稿しました。気が向いたら、他のキャラも投稿する予定です。
作者が小説を書く時にほしいなと思って作ったイメージなので、もしかしたら全然違うと思う方もいるかもしれません。
それでもいい、見たいって方がいたら、作者のプロフィールからリンクに飛ぶか、下記の名前で検索してみてください。
名前:結里@本モブ
ユーザー名:@yuri_honmobu
見たくないよって方は、無視してください。
よろしくお願いします。
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婚約者を迎えに行くセスと別れて、しばらくした後に、シーラをエスコートしながら結婚報告パーティーの会場へ入場した。たくさんの貴族が俺たちを歓迎する拍手で出迎えた。父上たちの元へ行き横に並ぶと、ドレスコードの貴族、制服姿の学生など、かなりの人数がいた。ほとんど突発的な開催なのにこれだけいるのはすごいことだ。その中には俺が個人的に招待したシリアス、ミシェル、フェルもいた。セスと婚約者のクリスティーナ嬢、クリスティーナ嬢の姉であるイライザ嬢、アイが一緒ってことは、あいつらはあいつらで固まるんだろう。あとで挨拶しにいくか。
父上のパーティー開催の挨拶を聞きながら、視線を滑らせて会場を見ていれば、壁際に制服で参加している学生の集団が見えた。その中心地には、シルヴィアナとか言う小娘がいた。だけど、少し違和感を持ったのは、友達が若干違うことか。転生者だから、ゲームとは違った友人がいてもおかしくはないし、俺だって全然違うはずだ。でも、シルヴィアナの横にいる友人は全員目がうつろで、鑑定してみると魅了スキルを使われていた。その中には神官長な息子、ゼーリアもいる。あいつまじで魅了スキルの餌食になってやがんな。解いたら正気に戻るか…?無理か?
「今日は皆に報告することがある。キース。」
どうしようかとかんがえているときに、父上の声が聞こえてきて、我に返った。若干、思考に意識が偏っていた。危ない危ない。打ち合わせ通りに、俺とシーラはその場から一歩踏み出した。
「今日は集まってくれて感謝いたします。伝えたいこととは、先日ここにいるプリシラ・ガーディーアン侯爵令嬢と婚姻を結んだことです。」
婚姻と言った瞬間、手紙で伝えていなかった貴族たちが驚いて周囲の人間と話しだした。ザワザワとしている中、俺は続けた。
「予定より随分と早いと思ったことでしょう。だが、私は少々嫉妬深いのです。被害者が出る前に不仲ではないと証明しておきたくて、気が急いてしまいました。」
結婚した事を知らせてなかった貴族が、最近の俺とシーラの仲を疑い出して、シーラに近づこうとしたとサリナ嬢から聞いた。婚約破棄していないのに、すでに釣り書きが届いたとか。ふざけんじゃねぇぞとブチギレてその貴族をぶっ潰しそうになったよ。
笑顔で牽制すると、心当たりのある男が数名顔を青ざめさせた。それに気分をよくして続けた。
「私も婚約者を愛している余裕のない1人の男だと思って、皆様には理解していただきたいと思っております。」
俺がお辞儀をするとシーラもカーテシーをして挨拶をする。ほぼ同時に貴族たちの盛大な祝いの拍手が鳴り響いた。
普段から公務を抜かりなくやっている分、こういうところでわがままを発揮したところで俺の地位は揺るがないのだ。貴族たちも苦笑するだけで、理解してくれる。そうなるよう、真面目に見えるように立ち回ってきたんだから当然だけどな。
拍手がまばらになってきたところで、父上が再度口を開いた。
「そして、この場でもう一つ発表することがある。」
そう言うと、まばらだった拍手が鳴り止み、全員が父上に注目した。
「婚姻の義のことだ。グラキエスとプリシラが婚姻の書類にサインをした瞬間、神官長が女神様からのお告げを受けた。大聖女が目覚めました、と。詳細は追って公表する。以上だ。さぁ、2人の結婚を祝おう。」
さらっと言われた内容に一瞬、静かになってしまったが、貴族たちはすぐに喜びの歓声を上げた。大聖女が1人いるだけで、女神の加護により数世代先まで国は安泰だという言い伝えがある。実際に、大聖女が生まれた国は数世代先まで国が繁栄していたという記録もあるから、この国では大聖女は繁栄の象徴として崇め奉られる。誰が、とは言ってないけど、結婚した瞬間と言われればシーラであるとすぐにわかる。将来の王妃ともなれば尚更だろうな。
喜びまくっている貴族たちの中に、顔を忌々しげに歪めている人間が1人いる。もちろん、シルヴィアナだ。考えていたプランが悉くからぶって、しかも悪役令嬢のはずのシーラにその場所を分取られ出るんだからな。腑が煮えくり返ってるんだろう。愉快愉快。
「キース、お顔が歪んでますわ。」
「おっと。それはまずい。」
悪どい顔をしているのがシーラにバレてしまった。気を引き締めなくては、貴族たちにバレてしまう。それはまずいので、すっと表情筋を元に戻した。
「冗談だったのに、本当に悪いこと考えてたんですね。」
「カマかけられた。」
「なんとなく、何か考えているだろうと思っただけですわ。実際に当たっていましたから、私のキース限定洞察力は高精度だとわかりました。」
シーラはふふっと楽しそうに笑った。年々と俺のことを理解してきている感じが怖い。いつか未来予知でもされるんじゃないかって気がする。
「それより、問題の小娘とやらはもしかしてあの赤い女の方ですか? 壁際にいる…」
シーラがシルヴィアナがいる方角に視線を滑らせた。おそらく、目を合わせてはいないだろうけど、シーラを不快な気分にさせたくないから、そのまま気づいて欲しくなかったのが本音だったんだけど…
「めんどくさくなる気がするから見ちゃダメだよ。」
「もちろんです。キースの隣は奪われない自信がありますけど、キースとの時間を潰されるのは嫌ですもの。」
その自信満々なところが好きだ。さて、俺もシーラの意見には賛成だから、このまま大人しくしていてくれると助かるんだが、シェファーとシェリューの話からするとそれは無理そうだ。大人しくなるなら、そもそもシーラを誘拐する、なんて発想はできないだろう。
おそらく、明日以降に動き出すだろう。まぁ、油断はできな、、
「お待ちください!」
………俺の推測が一気に瓦解したな。
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