君は、瞬きをする

羽弦トリス

第1話プロローグ

その夜は、寒かった。ソメイヨシノの開花宣言が出たと言うのに。

僕の左腕に頭を乗せてすやすや眠っているのは、彼女の倉橋真美。

そっと、腕から離し枕に頭を乗せた。

僕は、セブンスターに火をつけて、ベランダで吸った。

明後日、上京する。大学へ進学するためだ。

真美は地元の看護学校へ通う事が決まっている。

僕は不安だった。遠距離恋愛に自信がない。

こんなに、かわいい女の子だ。直ぐに新しい彼氏が出来るだろう。


コホンッ


僕が軽く咳をすると、真美は目覚めた。

「とし君、また、タバコ吸ってたの?」

「うん。起こしちゃたね」

真美は卓上時計を見て、

「 まだ、3時だね。もう一回しよっ?」

「えっ?」

昨夜は3回もしたのに、下腹部は反応する。

タバコを消して、2人は激しく行為に及んだ。

30分後。

「とし君、激しかったね?」

「そう?気持ち良かった?」

「うん」

「とし君の匂い好きだな」

「どこが?」

「ちょっと、タバコ臭いとこ」

「珍しいね」

2人は朝まで寝た。

早朝4時半。僕は真美の親にバレないように家を出て、NS1に乗って帰宅した。

そして、昼まで寝た。

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