第36話 バスケ観戦〜香織side〜

「すごい・・・」


思わず声が出る。

私も中学の時にバスケをしていたから秋也君のプレーがプロ並みなのはすぐに気づいた。会った事は無かったけれど元々中学時代から名前の上がる選手だったので予想もしていた。


私が驚いたのはそんな彼に相対している白銀くんだ。

彼はバスケ部では無く名前も聞かなかった。

そんな彼がこんなにバスケが上手いのは知らなかった。


秋也くんは目からして本気でプレーしているのにそんな彼に一切引かずに一進一退の攻防をしているのだ。


本気のドリブルからのバックステップスリーポイントを決めれる高校生など全国探してもそうそういないと思う。


文武両道のお金持ち。女性が苦手だと言うけど紳士的でもある。


けど私とは絶妙な距離感を取っているのでやっぱり白雪ちゃんが特別なのだろう。


隣に座っている白雪ちゃんはゴールを決めるたびにキャーキャーと声を上げている。


そんな彼女に目線を向ける彼はやっぱり私に向ける目線とは違う優しさを携えていてお似合いの2人だと苦笑してしまった。


私は私の恋する彼に目線を戻して彼を応援するのだった。

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