第78話 助けて!


「ま、待ってくれ…情報が多い…」


ゼシアからもたらされた情報は俺の…いや、全ての人間の常識を覆すものだった…


「もう!簡単に説明するよ?つまり、アーク達人間が恐れていたのはざっと2千年前の初代魔王、二代目以降からは人間への侵攻よりも魔界をよくしようとして平和に暮らしていました」


初代魔王…初代勇者が倒したんだと伝わっているが今となっては真相はわからないな


「そして、今は5代目魔王ちゃん!私大好きなんだー…代替わりしたのはここ数年なんだよ、実はいきなり魔王城に転移して来たみたいでさ〜なんか、子供なのにいっぱい知識持ってて、魔界の民の為に食糧事情や経済なんかも一杯やってくれてね?前魔王さんが是非やってくれって頼み込んだらしいんだ!私は魔王ちゃんが後を継いでから入ったからその時の事はよく知らないけどもう、本当にとってもいい子でかわいいの!でも、ちょっと真面目すぎる所があるから今回、あのクソエルフに騙されちゃったんだよねぇ〜でも、そこがまた可愛くてぇ〜」


「ちょ!ちょっと待て!簡単な説明からかなり外れてるぞ!」


なんだコイツ…なんか、壊れたみたいに魔王を絶賛し出したぞ…怖い…


「あぁ、ごめんごめん…えぇと、要するにもう魔界からの侵攻を気にする必要はないの!寧ろ魔王ちゃんは人間の国と国交?を結びたいって言ったたよ、政はよくわからないけど…それって難しいの?」


「そりゃあ…恐怖の対象にいきなり仲良くしましょうって言われてもな…」


「ふむふむ…ん?……………」


急にゼシアが何かに気付いたのか考え込んでしまった


「あ?どうした?それよりなんだか戦う気がなくなったなぁ…どうする?俺としては魔物もいなくなったしこれで終わってもいいけど…ついでに森も消し飛んだし………怒られそう…」


「ねぇ、アーク…」


「なんだ?」


「アークって確か王国で偉いんだよね?確か公爵?って言ったたし」


「あぁ、まぁ一応な、でもまだ後を継いだわけじゃないし後継者っていってもまだ俺にはなんの権限もないよ?一応、王族でもあるけど」


「王族!?アークって王族なの!?」


「な、なんだよ…その嬉しそうな顔は…」


なんかすげぇ嫌な予感が…よく知っているぞ、このいい事思いついた!って顔は…


「ねぇ!これから魔界に来てくれない!?」


「はぁ!?何言ったんだよ!」


「いいじゃん!アークなら歓迎するよ!それに私達の国を見てもらいたいんだよ!見てもらったら私が言ったことが本当だってわかるから!お願い!魔王ちゃんに会ってあげて!そして話を聞いてあげて!」


「ま、魔王と会うだと!?嫌だ!そもそも、魔界になんかいかねぇよ!っておい!!」


俺の拒否も聞かずに腕を掴み魔法陣を展開する…これは!?転移魔法!?


「ふっざけんな!拉致する気かよ!離せ!イタタタ!強い強い!くそ!外れなぁ力強すぎだろ!」


「大丈夫だから、何も怖くないよ!」


「それダメな勧誘じゃん!嫌だーアメリア!ソロモン!助けてくれーー!アル!シャル!アン!ヴァニ…………」


こうして死の森を蹂躙していた2人の災害は突如として消えた…





「アークとあの淫魔の魔力が消えた…?」


「うそ……」

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