刺激を求めた一週間後に人生が変わった話

たけ

プロローグ

 校門から昇降口に続く道の両脇の桜の花が五割ほど咲いている。あと一週間もすれば満開になるだろう。そしてほぼ同じくらいに春休みになる。

 始まる前は長いと思っていた一年がこうも早く過ぎ去るとは、と思いながら教室から桜並木を眺める。


 この道は山の上に位置する南風泊はえどまり中等学校のものである。この学校は中学校と高校が一緒になった中高一貫校で、僕はここに通っている。新年度は中学3年生に相当する3回生に進学する。

 入学したときはあらゆるものが新鮮で面白かった。新しい友達、真新しい校舎など、いわば刺激に溢れていた。ただ、2年も過ごすと変わり映えのしない、刺激の少ない日々にいささか飽きてきた。

 転校生が来ることもなく、友達付き合いや男女の付き合いも進展はほとんどない。

 もっとも「モテる」という体験のしたことのない自分にとっては今までとなんら変わりのない日々ではあったが。


 そんななか、あるキャラクターを通して自分の人生ががらりと変わることとなる。

 チャンネル登録者20万人越えのチャンネルのMC、R.B.ブッコローに。

 自分の人生を大きく変えるのは奇抜な色をしたミミズクだと、を始める一週間前の僕は推測できただろうか?

 

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