ケース7 卜部の独り言  


「お先に失礼します」

 

 そう言ってかなめは事務所を出ていった。

 

 聞きたいことが山ほどある……

 

 かなめの顔にはそう書いてあったが、卜部は気付かぬふりをした。

 

 誰も居なくなった事務所のソファに腰掛け、卜部はタバコに火を付ける。

 

 深く吸い込んだ紫煙をゆっくりと吐き出し、天井を見上げると、卜部は煙の中に浮かぶ幻影に向かって静かに独りごちた。

 


「お前の息の根は必ずこの手で止めてやる……

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