歌人達の風景#05~08

進藤 進

第5首 猿丸大夫  (古今集)

奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき


※※※※※※※※※※※※※※※


奥深い山の中で、(一面に散りしいた)紅葉をふみわけて鳴いている鹿の声を聞くときは、この秋の寂しさが、いっそう悲しく感じられることだ。


※※※※※※※※※※※※※※※


さくりと、踏みしめた落ち葉が。

一足ごとに私の胸に染みていきます。


それでも無心で歩き続けていると。

貴方のことを忘れることができたのに。


鹿の声(ね)が。

美しい貴方の声を思い出させて。


恨めしく思いました。


やはり。

明日は都に帰ります。


そして。

貴方のもとへ。


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