2023/5/15 月・曇り・記憶にない
5/13
空白
5/14
空白
5/15
空白が続いた日記にようやく何かを書く決心がつく。
退勤後に本屋に寄ったら、「これだけは読んでおきたい宮澤賢治」みたいなタイトルの雑誌が並んでいて、知ってる人(名前だけ)の書評など、面白いものが載ってたら買おうかなと思ったが、作品ばかり並べているものだったので書棚に戻した。「これなら家のコレクションで事足りる」と思った。が。
表紙には収録作のタイトルがずらずらと並べられており、ひとめで中身がわかるようになっていた。割合、小説が多い。そして。記憶にない作品が小説作品の最後を飾っている。「十六日」。
じゅうろくにち??????
え? 何? 記憶にないが?
すかさず青空文庫を検索する。あ、あった。
「十六日」……。
全集を舐めるように読んでいたと思ったのに、全然知らないタイトルが出てくる。何どういうこと? 私は賢治なんか研究してなかったのかもしれない。
「十六日」は盆の終わったあとの夫婦を描いたものだ。夫婦のもとに仙台からめっちゃ若くて綺麗な男がやってきて、言葉を取り交わして、帰る。帰った後に、夫が妻に「あの男のこと好きだろう」と尋ねる、……という、まさかの内容だった。
別に宮澤賢治を神聖視しているつもりはなかったけれど、晩年作品群の「俗っぽさは若いうちにどこかにキレイサッパリ捨ててきました」みたいな極まったところばかり舐めて(研究して)いたからすごくびっくりした。なんだこれは。
なんだこれは(2回目)。
全集をもう一度読む必要があるかもしれない、どうしよう。私は知ったつもりになって彼を全然知らないのかもしれない。雷に打たれたようにビリビリしている。
嘘やん。
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