第二部 もはや胃薬関係なくない?

2023/4/23 日・暴風・風花雪月

 作家を本気で目指すのなら毎日ワープロ(あるいは原稿)に向かい続けよ、という今を時めく大作家のツイートを見付け、「いやあ、やっぱりなのだなぁ」などと思いながらここ二週間ほどを振り返ってみる。


 日記を中断している間、何をしていたかと言われたら「switchでファイアーエムブレム風花雪月をしていました!」としか言えない。困った。原稿に熱中していたわけでも、積読を崩していたわけでもなく、ただひたすら顔がよく腕が立つかっこいい主人公を駆り立てて世界を救っていた。二回目の世界救済の前にはたと「いや、世界救ってる場合じゃないな?」と気づいたわけだ。

 なんということだ。「作家を本気で目指す」とはとても思えない怠惰を晒してしまった。とりあえず毎日文字文章に触れる、あるいは文筆作業をするため、つまるところ「有言実行」のために、日記を再開してみることにする。

 日記を書くのは決まってノートパソコンを開いているときなので、日記を書こうと思ったらパソコンを開くしかない。スマホからも書けるけれど、スマホで書いた文章はたいてい何かがおかしい。文章を書くのなら、やはりパソコンからにかぎる。


※※※


 ところで「ファイアーエムブレム風花雪月」というゲームなのだが、ネタバレを恐れず言えば「ルート」が大まかに三つに分かれている。傭兵として世界を駆けまわっていた主人公は、あるきっかけから士官学校(騎士養成学校)の教師となることに。 

 士官学校で待ち構えているのは三つの学級。赤、青、金の三色に色分けされた生徒たち、騎士の卵たちである。彼らは主人公に興味津々。そして自分のクラスの担任をしてほしいと口にする。

 まず主人公は「三つの学級のうち、どの学級を受け持つか?」という選択を迫られる。ここですでにルートは三つに分岐する。そして主人公の行動によって、それぞれのクラスの物語が展開されていくわけだ。

 こういうルート概念ってわりと最近のもの(?)だと思うのだけれど、これを物語に組み込むとしたらどうなるかなぁ、みたいなことを今は考えている。ルート……「もしも」の延長上にありながら、しっかりと物語ストーリーの枠組みを持っている。例えば風花雪月で言うなら、「黒鷲アドラーの旗印を掲げる主人公」と「ルーヴェの旗印を掲げる主人公」と「金色ヒルシェの旗印を掲げる主人公」が並列に存在することになる。ただし主人公が選び取れるのは「たった一つの結末」だけだ。並列する主人公を観測できるのはプレイヤーたる私たちだけ。観測者の特権の一番旨いところをすすっている。それがこのゲームだ。


 ……何かひらめきそうだが、種は種のままでゴロゴロと耳もとに残っている。ごろごろごろ。

 フラグを回収し損ねてしまって大変になってしまった手元のswitchを眺めてため息をつき、ウォーミングアップも済ませたことだし、と原稿を開くことにする。強制的にパソコンを開く作戦、成功。


 全く関係のない話だがベレト(男性主人公)の顔が好きすぎる。気になった方は風花雪月ベレトで検索してほしい。かっこいい。かっこいい。ちょうかっこいい。

 


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