胃薬日記

紫陽_凛

2023/3/26 雨・胃痛

 胃薬が必要な年齢になってしまった。胃が痛いめちゃめちゃ痛いと泣きながら仕事をしていた私に姉と慕う先輩(70代)がくれたのはロート製薬のパン○ロン。これまたテキメンに効く。


 というわけでパン○ロンを薬局で買った。ついでにコーヒーも買った。


※※


 という経緯を経て今に至るわけであるが今日も胃の調子が悪い。水と薬を用意して一気に飲み込む。漢方に似た爽やかな香りと清涼感と共に胃のムカつきが解消されていく。

 美味しい。


 私の朝食はコンビニで買う甘い菓子パンで、これまではその油っぽさとか甘ったるさにも負けぬ丈夫な体を持ち、特に考えもせず、毎日同じチョコパンマーガリンパンコッペパンを選び、お共にホットコーヒーのペットボトルを買ってきた。しかも美味しく頂いてきた。朝のコーヒータイムは私の心の拠り所である。

 しかし胃が痛くなった今、いよいよそのルーティンを改めなければならない。時が来たのだ。もう私は若くない。胃も限界を訴えている。胃は痛いし腹も下るし何より辛い。


 だがとても、面倒臭い。


 これまで回してきた食のルーティンを胃のために改めるのがとても面倒くさい。コーヒー飲みたいし甘いパンも食べたい。朝のひとときが無くなるのは断じて許せない。百歩譲ってパンを変えても構わないが、コーヒーは飲みたい。それで胃が痛むとしてもコーヒーだけは飲ませて欲しい。

 というかコーヒータイムが無くなるくらいだったらパン○ロンを買って飲み続ける方がいい気がする。


 パン○ロンはいい。美味しい。ほんのり甘いのは漢方成分だろうか。舌触りもよく、ほろりと溶ける。何より飲み込むさいの清涼感がたまらない。そして胃に効く。これでもかと効く。


 これ以上のことがあろうか。いいぞ、パン○ロン。


 これはそんな、胃薬の味を覚えた女の、胃薬を称える日記である。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る