第27話
私は噂話で
校内に響く謎の音の謎を調べようと
夏休みを口実に
深夜家を抜け出して
学校にチャリンコで走っていた
何でも 深夜の校内では 軋むような異音が響き回ると言う
それが本当なのか
どう言ったものなのか 私は気になり
ここに居るのだ
じんわりと汗が滲み始めた頃
私は学校に到着していた
噂では ブランコではないかと言うが
その確証なく
理由付けも不明だ
一応
卒業アルバムや校内誌を読み漁ると
三十年前まで
その遊具はあったようであるが
ある時突然 理由なく
その存在は消えていた
学校は静かであり
その影に入ると
遮断されたように
ひんやりしていた
ギィ
私は 何かの音を聞いた
耳を澄ませる
ギィ ギィ
確かに
聞こえる
私は その正体を調べる為
まずは 噂通り信じるなら グラウンドに
向かう
その他の話として
音がしていってみると
ブランコに
事故死した子供が 毎晩乗って遊んでいる
為に ブランコが撤去されたか
学校の工事中に事故で人が鉄筋に宙吊りになった
などもあるが
現実的証拠が無い
グラウンドに到着すると
何故か音が遠ざかってしまっている気がした
それはどうやら 校内
からであり
私は 何となく
玄関に目を向けると
そのガラス戸に
見慣れぬ反射物が細く見える
それは 反復運動を繰り返し
どうやら ブランコに見えるのだ
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