第7話

緩やかに揺れるブランコを見た事ないだろうか

一人でにゆっくりと

それを科学的に証明することは可能だ

ひとつだけ一本だけ揺れていようとも

しかし それらの行為 全て同じだと言う証拠が果たしてあるだろうか

私は そんな中でひとつ 話させていただきます


誰もいない校舎でも 唯一自由に出入りできる場所をご存知だとは思うが

それは校庭や中庭の遊戯であることが多い

それは 都会なら微妙であるが

田舎に行けば行くほど 自由で開放されていることが非常に多い

野良犬も不審者も

さしたる意味を持たないほどに

しかし それでも そんな中で さしたる目立たない 奇跡めいたことも 時たま起こるし

それを 怪談に分類しても 何もおかしくは無い

何故なら よくわからないもの

それこそが 怪談たる 怪なのだから どうしようもないわけである

私が 聞いた話でありますが

ごく稀に 誰かの悪戯か ブランコの鉄の鎖が誰かにより

切断されることがある

それを発見した 用務員さんの話である

それはまだ 警備員もいない昔

宿直があり

先生が泊まり込んで 学校の見回りをするのだが

その先生は ふと音を聞いた

キイキイと

それが何かわわからない

しかし どうやら中庭で聴こえているような気がする

先生は ライトを持つと

校庭に出た

音の方は ぐらうんどのはじ

ネットの付近で

聞こえる

暗闇に 遊具の影が 黒い影として映るが

その中で ひとつだけ動いているものが見える

それは ブランコであり

どういうわけか

鎖がひとつ切れ

五つの鎖だけが吊り下がっている

何故切れたのか 経年劣化か

誰かが悪さでもしたのか

先生はライトで

五本の対がないそこにライトを照らし

息を呑む

それは 鎖ではなく

いや 実際には 鎖なのだが

その端に

人がぶら下がっていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る