第6話
緩やかに揺れるブランコを見た事ないだろうか
一人でにゆっくりと
それを科学的に証明することは可能だ
ひとつだけ一本だけ揺れていようとも
しかし それらの行為 全て同じだと言う証拠が果たしてあるだろうか
私は そんな中でひとつ 話させていただきます
誰もいない校舎でも 唯一自由に出入りできる場所をご存知だとは思うが
それは校庭や中庭の遊戯であることが多い
それは 都会なら微妙であるが
田舎に行けば行くほど 自由で開放されていることが非常に多い
野良犬も不審者も
さしたる意味を持たないほどに
しかし それでも そんな中で さしたる目立たない 奇跡めいたことも 時たま起こるし
それを 怪談に分類しても 何もおかしくは無い
何故なら よくわからないもの
それこそが 怪談たる 怪なのだから どうしようもないわけである
私が 聞いた話でありますが
ごく稀に 誰かの悪戯か ブランコの鉄の鎖が誰かにより
切断されることがある
それを発見した 用務員さんの話である
それはまだ 警備員もいない昔
宿直があり
先生が泊まり込んで 学校の見回りをするのだが
その先生は ふと音を聞いた
キイキイと
それが何かわわからない
しかし どうやら中庭で聴こえているような気がする
先生は ライトを持つと
校庭に出た
音の方は ぐらうんどのはじ
ネットの付近で
聞こえる
暗闇に 遊具の影が 黒い影として映るが
その中で ひとつだけ動いているものが見える
それは ブランコであり
どういうわけか
鎖がひとつ切れ
五つの鎖だけが吊り下がっている
何故切れたのか 経年劣化か
誰かが悪さでもしたのか
先生はライトで
五本の対がないそこにライトを照らし
息を呑む
それは 鎖ではなく
いや 実際には 鎖なのだが
その端に
人がぶら下がっていた
それから ブランコは撤収され
子供はぶうぶうと文句を言うが
時たま 宿直の見回りで音を聞くと言う
キイキイと
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