第15話 第二門と第三門の攻防
第二門では、モンク率いる剣闘士たちがモルドレッド軍を食い止めていた。
「ランスロットは避け、相手の兵士を討ち取るのだ」
「はっ」
「流石は歴戦の剣闘士。こりゃ敵わない。一旦撤退だ」
わざとらしい言葉と共にモルドレッドは一旦引く。そして戻ってきた元第一門の兵士を部下に命じて射殺する。魔素をたっぷり塗った猛毒矢だ。
「何をするモルドレッド」
「何をって、裏切りは許さない」
「我らはうらぎってなぞ」
「弁解は要らない」
「まさか、初めから」
「それを知ったところでもう遅い」
「おのれモルドレッド。呪ってやるぞ」
「呪う。ハーッハッハッ。呪うならおのれの不幸を呪うんだな」
バタバタと死んでいく元第一門の兵士たち、次の瞬間全員の身体を禍々しいオーラが包み込み人の形をした暗黒兵士として蘇る。
「お前たちに命じる。剣闘士たちを根絶やしにしろ」
「モルドレッド様のために」
クククハーッハッハッ。なんと素晴らしい力だ。この力さえあれば、周辺を支配下に収めるどころか全国を支配できる。
「行け我が尖兵たちよ」
突如現れた全身黒光りの鎧をつけた暗黒兵士たちになす術もなく蹂躙される剣闘士たち。
ガキーン。
「なんて固てぇ鎧だ」
「モルドレッド様のために」
暗黒兵士の槍が剣闘士を貫く。
「グワァー」
殺された剣闘士の身体を禍々しいオーラが包み込み暗黒剣闘士として蘇る。
見た目が黒光りになっただけの剣闘士に惨殺される剣闘士。
「おい、お前何して」
「モルドレッド様のために」
「一体何が起こっていると言うのだ」
ザシュッと剣で斬り殺される。その剣闘士の身体を禍々しいオーラが包み込み暗黒剣闘士として蘇る。そうして増えていく暗黒軍団が剣闘士を蹂躙する。とうとう心の折れた剣闘士たちが剣を置く。
「投降するから助けてくれ」
ザシュッ。
「グワァー」
無抵抗になった剣闘士も情け容赦なく斬り捨てる暗黒軍団。
そして、モンクの元にも終わりの時が近づいていた。
「なんなんだこの悍ましい所業は」
「貴様は剣闘士として100連勝を成し遂げたそうだな。その身をあのようにするのは忍びない。このランスロットが冥 神々の元へ送ってやろう」
「このモンク、国王から受けた恩義のため。一歩も引かぬ。ランスロットよ。お前もやがて身を滅ぼすだろう」
「ふん。戯言だな。運命は、己で決める。はぁ〜っ、せい」
100連勝を達成した歴戦の剣闘士でもランスロットには歯が立たなかった。相手に合わせて、体術で戦うランスロットの拳に腹を貫かれた。
「ぐぅぅぅぅ、なんて力だ」
バタッと絶命するモンク。
「ふん。100連勝をした剣闘士と聞いたから期待したがこの程度か。つまらぬ。このまま第三門に向かうぞ」
ランスロット率いる白金軍団とモルドレッド率いる暗黒軍団、その見事なまでの白と黒のコントラストが第三門に迫る。
第三門の守備を任されているのは、バルスという黒縁眼鏡を付けた魔法騎士だ。
「もう、こんなところまで来たというのかね。我が雷により焦がしてやろう」
「近衛兵以外の普通の兵士たちに通達だ。突撃だとな」
「どうして、暗黒軍団を使えば宜しいのでは?」
「聞こえなかったか?近衛兵以外の普通の兵どもを突撃だ」
「しかし」
ザクっ。
「モルドレッド様、何を?」
「命令違反は、万死に値する」
そう言うとモルドレッドは、暗黒軍団に命じて、伝令どもを皆殺しにする。
伝令どもは、暗黒斥候として蘇る。
「モルドレッド様のために」
通達が行き届いた普通の兵たちは突撃を開始する。
しかし、バルス率いる魔法騎士たちの雷により焦げる。
「見ろ、反逆者どもが裁きの雷により、焼かれる様を」
「グワァー、身体が熱い熱い熱い」
裁きの雷により。身体が跡形もなくなった場所が人の形だけを残している。
その人の形をした影が黒影として蘇る。
「何?ええい裁きの雷、裁きの雷、裁きの雷」
魔法を連打する魔法騎士たちだが黒影の身体をすり抜けて、地面に落ちる。
黒影たちによる投げナイフが刺さり絶命する魔法騎士の身体を禍々しいオーラが包み込み暗黒魔法騎士として蘇る。
「モルドレッド様のために」
「おい、どうしたんだ正気を戻せ」
暗黒魔法騎士の暗黒魔法が残りの魔法騎士たちに直撃し、バルスを残すのみとなる。
「さぁ詰みとしよう」
ランスロットは武器を槍に変える。
「ホーリーランス」
槍の先端に青白い光が集まり、レーザーとなりバルスの両眼を貫く。
「眼がぁ〜眼がぁ〜」
そして、身動きの取れなくなったバルスが槍に串刺しにされる。
「グフッ」
絶命するバルス。
第二門と第三門の陥落は場内にも轟く。
「第二門、第三門、陥落。モルドレッド軍は、第四門に迫っております」
「王よ。ワシが身代わりになるゆえ。お逃げくだされ」
「何を言うモルガン」
「このままでは、いずれ戻ってくるであろうアーサー殿下もモルドレッドにより殺されるでしょう。合流して再起を図るのです」
「第四門には、シールド、第五門には、ガードに時間を稼げと命じよ」
「王よ。御英断頂き感謝します。最後の御奉公となりますことをお許しくだされ」
「済まぬ。モルガン」
ウルゼ国王は、城の地下にある抜け道を通り城の外に出て、アーサーが帰ってくるであろう魔頂村方面に向かう。その足取りはパタリと消える。
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