第14話
やっぱりとYは思った。夢子さんのことが気にかかった。夢子さんとは家のリフォームのことで一度話しただけだった。確かに夢子さんは綺麗で可愛らしい人だった。綺麗な人や可愛いらしい人は他にもいた。Yは夢子さんにはいつでも会えると思っていた。しかし家主がリフォームのを辞めるといいだして、夢子さんが家に来ることはなくなってしまった。リフォームの話でどうせまたすぐに会えるさと思っていたYは当てが外れた。そして日が経つにつれてYの中で夢子さんの存在が大きくなっていった。初めて会った時には可愛らしい人だなと思っただけでそれ以上にどうということはなかったのに、会えなくなってしまったらどうしてもまた会いたくなってきた。これは一体どうしたことだ。直美も連れて歩けば街を行く人が振り返るほど可愛らしい子だったし、麻美も誰が見ても綺麗な女だった。どうして夢子さんなのかYは自分でも全く分からなかった。夢子さんは十分に綺麗だけど、驚くほど綺麗というわけでもなかった。なのにどうして夢子さんでなきゃいけないんだ。
なんでなのか?まったくわけがわからない。
好きな理由なんて探しても意味がない、あるわけがない。そんなものはじめからあるわけがないんだ。俺はただ夢子さんが好きだ。それだけだ。
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