第2話 うわさ話
翌朝の教室では昨日の妙な出来事の話で持ち切りだ。
「な~んか、あんな場所が近場に有ったなんてビックリした!広~い敷地内には芝生が敷き詰められ、一面に所狭しと薔薇が咲き誇り、お城のような作りの……?高い塀が有り、な~んて書いてあったかな~?す~ご~く可愛い女の子が、お家で…夜でもないのに普段着とは違うドレス?ネグリジェ?そんな格好で庭で軽やかに踊りながら戯れていたんだ~?誰かが居たのか?それとも蝶々や小鳥を追いかけて居たのか?一瞬で消えたんだ~?あれは何をしていたのかな~?」
樹と利也は昨日の出来事が本当の事なのか?疑心暗鬼になっている。
「あんな場所なんて今までに一度も見た事もない!皆で行ってみないか?」
「よ~し行こう!そんな可愛い子なら是非お目にかかりたい!」
「俺も行く!」
「俺も!」
「俺も!」
そして次の日曜日、部活のサッカーを中途で抜け出しみんなで、その場所に向かった。
「オイ確かにこの道だったよな~?」
「………たぶん?」
行けども行けども……あの屋敷には行き着かない。
すると美しい湖のような池にたどり着いた。
その美しい池の水鏡に青々と生い茂った木々、更には赤や黄色の花々を映し出す何とも美しいこの池にしばらくの間只々見入っていた。
するとその時どこからともなく「いい加減にしなさい!又出歩いて!」遠くから怒鳴り散らす中年らしき女性の罵声が聞こえて来た。
「うううう~!だって~?うううう~!」泣いている子供の声が?
「オイ行ってみよう!」
駆け足で声のする方向へ向かったのだが、妙な壁にさえぎられて行き止まりだ。
「これは何なんだ~?」
「妙な壁だよなぁ?気味が悪いから帰ろう!」
「まあこの前の事は何かの見間違えに違いない!」
「違う違う俺も見たから!」
「よ~し気長にまた探してみよう!」するとその時木々の陰から誰かが?ひょっとして付けられているのか?
一瞬の事だが?がっしりとした体型の若い目付きの鋭い男が、足早に立ち去って行った。
「な~んか不気味だな~?」
「ホント!ホント!サッサと帰ろうぜ」その時一台の大型トラックが————。
……するとその時…荷台がアルミ製の箱型トラックの中から何か動物なのか?
「グウウウ————ッ!」異様なうめき声が?
「ワァ—―ワァ———ッ!」サッカー部員達は恐ろしくなり駆け足で帰路に着いた。
それから数日後、樹は家族と最近心不全で入院したばかりのおばあちゃんの、病気見舞いに病院に向かった。
すると待合室にこんな無機質で簡素な病院には到底似つかない、まるで別世界の一際目立つ薔薇の花のように美しいあの少女を目撃した。
そして急いで後を付けた。
するとその時、森の中を付けて来たあの時の若いガッシリした男が、突然ぶつかって来た。どういう事なのか?だが、一瞬の隙に少女は消えてしまった。
不思議な事だ。一体あの少女は何者なのか?只の幻なのだろうか?
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