Monstrous Being

時田宗暢

緒言

 「怪物よりも人間の方が恐ろしい」とはよく聞く言葉であるが、具体的に人間はどれ程恐ろしい存在であるのだろうか。

 本作に収録されたエピソードは、上記のごく単純で素朴な疑問に対する答えとして、ある好事家によって蒐集されたものである。学術論文からの抜粋もあれば、事件の実在性すら疑わしいものまで、玉石混交である。これは、この「Monstrous Beig」を記したした好事家が、客観的な裏付けよりも自身の直感を優先して蒐集を行った結果である。作者の意図を最優先し、ここでは各事例・事件の検証等は行わず、蒐集された文書の内容の通り掲載している。読者諸氏におかれては、このことにご留意されたし。

 もっとも、真実であるか否かということは、本作を読み進めるうえでさして重要ではない。それは、収録された各話を読み進め頂ければ、読者諸氏にも自ずと分かることであると思う。

 それでは、人間心理の深奥、その魔界的・怪物的本質について、とくとご覧あれ。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る