第23話 思い出話
阪急庄内駅から歩いて10分もかからない距離の国道筋に喫茶店がありましてね、時折バイクで通り過ぎてたんですがハスクバーナが店先においてあり(これは?)と思って立ち寄ったのが始まり。
いまだとスウェーデンのハスクバーナはチェーンソーでその筋には有名かな。当時のバイク事情は、英独伊と米国の4カ国が主な輸入先でスウェーデンのバイクなんて想定外でした。
店に通い詰めてると徐々に見えてくるのがバイク事情でしてグッチとか、ヘリコプターで有名なアグスタなんてのも見えてくる。BMWなんてのは選択肢の一つでしか無いって感じだろうか。
店に通い詰めることしばし、店のマスターに仇名を新之助と付けてもらって常連の仲間入りした。
あだ名ってのは、面白いのがあってガニマタの兄がペンチ、その弟がオトペン。「ペンチの弟」を省いてオトペン。バカっタレ姉ちゃんってのが居たような。もちろん妹も居たんだけどあだ名は、覚えてないなぁ。他には毛皮のコートのモデルをやってる「おたやん」と呼ばれてるお姉さん。ふくよかで色白、今にして思うと夏はどうしてたんだろう。
バカっタレ姉ちゃんは、美容師をしててお客がヘアスタイルの見本として雑誌の切り抜きを差し出して「これにして」って頼まれるんだとか。二つ返事で引き受けるんだけど心のなかでは(これはあかんやろ)と思ってるそうな。
横道にそれるけどバカっタレ姉ちゃんの話を聽いた数年後、とある散髪屋のおっさんと髪の毛の量によって値段を上げるべきか下げるべきかって話をしてた。髪の毛の少ない方の値段を下げるのはなんとなく理解できるんだけど微妙なバランスを失うと取り返しがつかないので「また後日」って帰ってきた。
思うに客の表情を笑顔の横目で見ながら刈っていくストレスは半端ないだろうなぁ。逆に多い人だと適当に刈っていっても「なんとかなる」安心感もあるけど微妙な髪の毛の流れにコダワリがある人もいるんじゃないかと思うと値段どうするかとか。
ま、そんな記憶を元に地下街で禿頭(とくとう/ハゲ頭)のおっさんを見て思った。ハゲとはいえマナーがあるんじゃないかと。ポツポツ伸びてくるのを撃退してるに違いないと。シャンプー代はいらんし顔を洗いタオルで拭くついでに頭全体を撫で回して「今日のヘアスタイル完成」なんてにんまりしてるおっさんもいるかも知れない。
それでもポツポツ生えてる産毛は撃退しないとホームレスに間違われるおそれがないわけでもない。
喫茶店の話に戻して、ある日のことバカっタレ姉ちゃんが来て「水!!!」って言うもんだからマスターが「マテ」を発して。ウォッカ&氷を渡したそうな。一応、お酒は飲めるそうなんですけどね、氷水だと思って一気飲みして盛大にむせた。
「ひどいんですけどぉ」という非難やら「喫茶店に来て水を注文するやつがある?」という応酬も笑い話のネタになった。
その喫茶店も結婚してからは足が遠のき久しぶりに現地に行ってみたら跡形もなかった。木造だったしね。
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