黄金の夜からぼけの花

エリー.ファー

黄金の夜からぼけの花

 咲き誇るすべての花に、自らの思いを乗せるべきだ。セーブから始まってもいい物語もある。状況は悪くなるばかりだは、賭け事にこそ、真実が乗り合わせる。ほんの少しばかり、私を知って欲しい。自由には、いつだって音がつきものなのだ。背の高い美人な女性がのぞき込む言葉には、いつだって艶が現れる。私には、何もかも遠く見える物語だ。情報戦である。いつになれば、いつになれば、いつになれば、と繰り返して生きてきた悲劇は、詰め込み過ぎた悩みの果てに見える地獄のような日常である。机の上には花瓶があり、幽霊がいて、シャツがある。すべてなくしてしまいたい。削除ではない。肯定ではない。水辺ではない。ノートパソコンではない。性格が悪すぎて死に直結してしまう。再生回数が雨雲とともに踊り狂うのである。焼死する黒いスーツ。真っ白な思考に火をつけて、真夜中近づくべきだ。

 アクリル板にはハンドクリームを投げつけるのが最も正解なのだ。

 円周にかけた呪いが最も薄汚れているのだ。

 詩なのか、物語なのか、現代芸術による、思考を形にするべきだ。

 水しぶきが私たちを変えてくれる。

 光り輝く、渋谷の人間。

 並走から生み出されたリモコンのお味。

 九州に到着したら電話を下さい。

 変わりゆく薬の色を教えて下さい。

 トランプを使って戦うのですか。

 スポーツは発想が重要であると思います。

 水辺の殺し屋に話しかけたいのです。

 思考を停止してからが、人間になれるのだと思いませんか。

 豊穣の神。急逝の神。口上の神。牽制の神。必勝の神。黄銅の神。遊興の神。石膏の神。化粧の神。後天の神。発酵の神。不義の神。前線の神。眼光の神。七宝の神。漁港の神。淵底の神。硝石の神。大気の神。変遷の神。合計の神。彫像の神。手紙の神。戦争の神。桜桃の神。小胞の神。六甲の神。四分の神。赤色の神。闘鶏の神。鼈甲の神。未踏の神。粉状の神。滅灯の神。茶谷の神。一升の神。猩々の神。近郊の神。

 あぁ、神々よ。

 何もかも祈らせて殺してくれ。

 あぁ、神々よ。

 この音に私たちを乗せてくれ。

 あぁ、神々よ。

 数値だけではないのだ。すべてが揃っている。

 あぁ、神々よ。

 誰よりも美しく、誰よりも気高く。

 私にはもったいない、神の言葉を。

 どうか。

 どうか、私に。

「桜が散ったら私を思い出して下さい」

「散っても散らなくても、私はあなたを忘れるでしょう」

「寂しいことを仰る」

「すべてが真実です」

「悲しい限りです」

「しかし、愛があります」

「しかし、夢はありません」

「これは物語なのでしょうか」

「では、何だと思いますか」

「物語以外の何か」

「やめてください」

「聞きたくない気持ちは分かりますが」

 雪の日の呪いを、私の体に浴びさせて下さい。

 編年。

 春。

 情報。

 生姜。

 黒金。

 別居。

 恋愛。

 更新。

「もしも、もしも私が一人なら」

「はい」

「愛してくれますか」

「嫌です」

「愛して下さい」

「あなたが一生をかけて私を愛してくれるなら」

「一生、愛します」

「私があなたに振り向かなくとも、あなたは私のことを愛せますか」

「はい、愛すしかありません」

「私が振り向くことはありません」

「あの」

「それでも愛せますか」

「はい、はい。もう、これは病気です。治りません。一生をかけて愛します」

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