16 考察2

 幻覚を見るのは人間の特性かもしれない。それを見易くする場があることも事実だろう。頭では幽霊を信じていなくとも夜に墓場に行けば恐怖を感じる。もっとも、まるで想像力のない人間ならば感じないかもしれないが……。

『白』が『黒』だったら話は変わっていただろうか? あるいは毒々しい『赤』や死人のような『青』だったら……。 さらに連続して別の抽象化が起こった場合は? 『白』だったから良かったが『痛み』や『右』だったら、どうなっていただろう? あるいは論理的優位関係を有する『一』や『他』の組だったら……。論理的優位性を有する『有』や『無』だったら……。

 そうなれば、もはや現物は必要ないのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る