現代転生したと思ったら魔法の世界だったので憧れの魔法学校に入学します!

猫月九日

第0話 プロローグ

「遅いなぁ」


 思わずつぶやいてしまった。

 ちらっと時計を見ると、結構怪しい時間になってしまっている。

 もうそろそろ行かないと遅刻になっちゃんだけど?私が遅刻するのは、ちょっとまずいよ。

 時計とにらめっこをしつつ、先に行くかどうかを検討し始めたところで。


「お待たせ!」


「シャロン!遅いよ!」


 待ち人がようやくやってきた。


「ごめんごめん、寝坊しちゃってさ」


 カラカラと笑う友達に、私はため息をついた。


「まったく、後1分もしたら先に行くところだったよ」


「えー、そこは待っててよ!」


「いや、無理だよ。流石に私が遅刻するわけにはいかないよ」


 だって、私は。


「あ、先生だー!おはよーございまーす!」


「えっ!先生!?可愛い!」


 顔も知らない明らかに歳上の女生徒から挨拶をされる。


「はい、おはようございます!」


 挨拶を返すと、黄色い悲鳴が上がった。


「ふふふ、相変わらずの人気だね。サラ先生」


「やめて。シャロンまでその呼び方は。なんか気持ち悪い」


「サラ!なんか失礼だよ!?」


 プリプリするシャロンだけど、やっぱりそういう感じの方が似合ってるよ。


「それよりも!早く行かないと遅刻だよ!」


「あ、そっか!じゃあ、急がなきゃ!」


 止まって話し込んでしまったせいで更に時間がピンチだ。


「こうなったら!アクセル!」


 私は走りながら杖を振って呪文を唱える。


「おっ!おお!足が早くなった!」


「移動速度を上げる魔法だよ」


 これなら間に合うはず。


「やっぱり凄いね!サラ先生は!」


 そう、私はこの魔法学校で生徒ではなく、教師をやっている。

 どうしてこうなったのか、思い返すと、やっぱりあの人に出会ったのがきっかけになるだろうか。


---

お読みいただきありがとうございます。

プロローグになります。

1話は今日の17時頃投稿になっていますのでちょっとでも、続きが気になった方はフォローと☆さんをよろしくお願いします。

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