『なるぜ、ドラモンマスター!~チャンピオンのシロエと最初の草むらでLV87になったマッスルタウンのサトル~』
『オレ、マッスルタウンのサトル!へへ……夢はその辺の川で偶然釣り上げた幻のドラモンのラムタを最初の草むらで最強にして圧倒的ドラモンマスターに余裕でなる事さ!な、ラムタ!へへ……』
『ラム~』
と、短パンを履いた純真なショタと、羊とドラゴンが混じったような可愛らしい生物が言っていたのは、今から10年前の事である。
(サトル、どうしてるかな。流石にまだ、草むらにいるとかないよね……)
サトルの幼馴染にして現ドラモンリーグチャンピオンのシロエは、そんなことを考えながら、10年ぶりに故郷のマッスルタウンの土を踏んだ。だが、その予想は悪い方に当たり、チャンピオンのシロエはエンカウントしてしまう。
「ラムっ~!」
とマスコット的可愛さの変わらない伝説のドラモン“ラムタ”。そして、
「待てよ、ラムタ~!あ、お前、もしかしてシロエか?へへ、変わんねえな、」
仕草と澄んだ瞳と短パンが変わらないまま身長2メートル体重100キロの筋肉の塊へと進化を遂げていた、元短パン小僧、現短パン兄貴のサトル(20歳)。
さらにそこに、最初の草むらに良く出没する野生のドラモン“ザココ(メス)”が現れ、その野生のドラモンを前に、短パン兄貴のサトル(20歳)は奇行に走る。
「お、出たな野生のザココ(メス)!へへ、経験値にしてやるぜ!行け、サトル!うぉぉぉぉぉぉ!」
「?」
「行け、サトル!波動破だ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「…………?」
なんか知ってる世界観と違う気がすると首を傾げるシロエの横で、ラムタは「ラム~ラム~」言いながら応援を続け、そして短パン兄貴のサトル(20歳)はなぜだか掌から放たれている謎のエネルギー弾で野生のザココに勝利を納めていた。
そして、シロエは悲しい真実を知る。なんと、ほとんどテイムされた記録のない幻のドラモン“ラムタ”は、LV87になっても攻撃技を一つも覚えなかったらしいのだ。
そして、そんなラムタをどうにか最強にまで育て上げるため、サトルが自身の拳で野生のドラモン相手に10年間経験値稼ぎをしていたらなんか本人が最強になったらしい。
そんなサトルのお母さんに泣きつかれ、幼馴染と言う腐れ縁の結果、チャンピオンのシロエはサトル(20歳)の旅立ちについていくことになる。
道中、目があったらドラモンバトルが始まるはずだと言うのに誰も目を合わせてこないことを不思議がる短パン兄貴のサトル(20歳)に「せめて短パンやめなよ……」と白い眼を向け。
最初の街で10年間サトルの到来を待ち続けた結果闇落ちしていたライバルのシゲオ(20歳)の繰り出すゴーストドラモンに攻撃が当たらず、結果テイマーにダイレクトアタックすることで勝利したサトルに「その勝ち方で本当に良いの……?」と白い眼を向け。
最初のドラモンゲートで、ゲートリーダーのハヤテの繰り出す飛行タイプの技に大ダメージを受けたサトルに、「……やっぱり格闘タイプ」だったんだ、と白い眼を向け。
そうやって呆れ続けの旅路を進んでいくうちに、サトルとシロエは悪の過激派ドラモン愛護団体“DBC(ドラモン大好きクラブ)”にラムタが攫われてしまう。どうやらDBCは、ラムタをもとに最強のドラモンを作り上げようとしているらしいのだ。
更に、ラムタを追いかけたサトルたちの前に、「お前は俺の全てを奪った……」とシロエへの恨みによって闇落ちした元チャンピオンのダイスケも現れ、事態は混迷を極めていく。
果たしてサトルはシロエのストーカーを撃退し、過激派ドラモン愛護団体“DBC”の手からラムタを救い出すことが出来るのだろうか。
そして、ドラモンを闘いの道具にしたくないと語る“DBC”のボス、サカエに放った起死回生の一言とは……?
次回、『なるぜ、ドラモン・マスター!』
第2話
VSサカエ。――戦わせたくないならお前自身の拳で語れよ!
ドラモン、ノックアウトだぜ!
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