忘れていく心

若いとは凄い。

10代の頃は何もかもが目まぐるしい。

学校、遊び、デート、バイト。

1週間、家で休む時間がない。


授業中はとにかく寝ていた。


わたしは安物のブリーチで染めた髪を、毎朝巻く。

たかが学校。

だけど、わたしにとってこの巻き髪は、ライオンのたてがみと同じ。威嚇なのだ。


本当はひとりぼっちが大嫌い。

みんなと仲良くなりたい。

だけど、学校のみんなはわたしを変わった子だと遠ざけていた。


ひとりぼっちでも平気。だってあたし、みんなと違う世界にいるから。


そうゆう威嚇のために、着飾る。

振り向くのは、女の子と遊びたい男子だけ。

寂しかった。

悟られないように、毎日、髪を巻いた。


ロサンゼルスにいるような、海の似合う女の子。

そんな感じが私の理想だった。


いろんな男と遊ぶうちに、先生への思いは消えていた。

脳みその片隅に静かに眠ってしまっていた。

新しい恋をして、女としての武器を最大限に利用する。

コギャルとは、そんな生物だった。


コギャルにも、実は理想があるのだ。

それは、日本の規制の厳しいダサい制服や、連帯行動。

そんなことに反発して、海外のセレブのような生活に憧れていた。


クラウディア、マドンナ、キャメロン、ケイト•モス


2PACみたいな、ラッパーと付き合う。

そんな、憧れ。

みんなが外国の文化に憧れていた。


今の時代のように、SNSで海外のセレブの日常は見れない。

彼女たちは、ランウェイや映画の中でしか見れない。

遠い遠い存在。

こんなふうになりたい。

そうゆう気持ちだったと思う。


少なくとも、わたしは。

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