デートレイプ

ミズホとは、毎日のように遊んでいた。

地味な進学校で、見かけだけで浮いていた私には、心強い友達だった。


ある日、上野のアルクスという、パラパラで有名のディスコに行ってみようと計画した。

渋谷や池袋の高校生の集まるクラブではなく、本物のギャルになろうと、ワクワクした。


親は、既に疲れ果てていた。

毎晩で歩き、タバコはもちろん、化粧、露出の激しい服。

もう、うちの子じゃない。

そんな感じだった。


罪悪感を抱えながらも、好奇心は止められない。

上野へ向かった。

箱の中に入ると、思ってたのと違った。

憧れていた、青田典子さんのようなかっこいいお姉さんはほぼいなく、全員コギャル。

がっかりした。


そんな時、ディスコの常連さんに声をかけられ、VIPルームにいれてもらえた。

おそらく、モデル並みのミズホが目当てだったのだろう。

ミズホはかなり酔っていて、知らない男といちゃついていた。

そんな時、私に1人の男性が近寄ってきた。20くらいの大学生だと思う。

とにかく、猛アタックしてきて、酒を飲まされた。


実のところ、わたしは下戸である。

酒が飲めないのだ。


早速目がまわる。気持ち悪い。

早く帰りたかった。

意識が遠のく。

ミズホはどこへいったのだろう。

完全にはぐれた。


意識が落ちたのだろう。

目が覚めたら中央線に、例の男と乗っていた。

東京駅だった。中央線からの乗り継ぎ、ここで降りないといけない。


しかし、体が動かない。

猛烈な吐き気が襲ってきた。

すかさず飲み込んだ。

逃げ損ねた。


次に気がついたときは男の部屋だった。

水が飲みたい。喉がカラカラだった。

「落ち着いた。」

男は優しく声をかけてきた。

「はい。ここ、どこですか?」私。

男は僕の家だよ。と言った。

少し飲み直すか。といって、いちごミルク味のカクテルのようなものを作ってくれた。

美味しかった。


そのまま、男のなるようになった。

記憶も曖昧だが、シャワーも浴びず、男と抱き合っていた。

男はペニスを私に咥えさせる。

吐き気がでる。


助けて、ママ!

心の中で叫んだ。


そのまま男はペニスを挿入してきた。

痛かった。

お構いなしにピストンされ、男は勝手に果てた。

わたしの女の子の部分をティッシュで拭いた男がひとこと、

「初めてだったんだね」

??

え?

あたし、2回目なはず。

だって、初めての人は、初恋の先生だもん。

…のはず。

一気に不安になった。

しかし、若さか。そのまま寝落ちした。


朝、6時に目が覚めた。

やばい!親に連絡してない!

完全な無断外泊をしてしまった。

焦って男を起こす。

「ねえ、ここどこ?あたし、帰んないと」

男はまだ一緒に寝ようよと、言っていたが、それどころではない。


私は、知らない男と知らない場所で、変な飲み物を飲まさられ、セックスした。

これは、大きなショックだった。


男は「高円寺だよ」

あ!やった!バスで帰れる!

逃げ出した。

男は不思議そうにしていたが、どこかで、この子、高校生なんだろうと気づいていた。

ベル番(ポッケットベル)の番号だけ教えた。

バス停まで送ってくれた。

そのままバスで帰り、恐る恐る家のベルを鳴らす。


母は、一晩中起きていたようだ。

もう限界と言うばかりの顔をしていた。

言い訳するのも、争うのも嫌だった。

汚れた自分の顔を見られたくない。


悲しかった。

男は処女だと言っていた。

私は先生と結ばれていかったのだろうか?

胸に小骨が引っかかる。

確かに、あそこが痛い。


とにかく、後悔した。


後にミズホへ連絡したら、彼女はうまく逃げたらしく、しかもご丁寧に東長崎の自宅まで送迎してもらったそうだ。


怖い女だ。

わたしはバカなのか?

こころから、自分に幻滅した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る