『手白香姫の冒険』紀行

清瀬 六朗

第1話 はじめに

 大河ドラマには最後にそのドラマの舞台とかを訪ねる一分程度の「紀行」がつきます。

 べつに大河ドラマの向こうをはりたい、とか、まねをしたい、とかいう、大それたことを考えているわけではないのですけど。

 いま書いている古代史小説『手白香たしらかひめの冒険』の舞台となった奈良県に行って来ました。

 この『手白香姫の冒険』は、大和平野(奈良盆地)の東側、「やまの道」のあたりを舞台にしています。

 ところが、私は、この物語の舞台に、ずっと行っていませんでした。十年近く前に飛鳥には行ったのですが、このときも一部の有名な史跡を回っただけでした。

 この物語に出て来る場所としては、石上いそのかみ神宮だけは一九年型新型コロナウイルス感染症流行前にお参りしているのですが、それ以外の山の辺の道を歩いたのは、たぶん二〇世紀です。

 全体にかなり昔の記憶で書いたので、まちがいもあるかも知れません。それを確かめたいということがありました。

 また。

 たぶん史実の手白香姫(手白香皇女)がこんなキャラクターだった可能性は低いので、ともかくも御陵ごりょうもうでて、ごあいさつして来よう、と思ったということもあります。

 それで、行って来ました。

 自分の書いている物語の舞台を、自分で自転車や徒歩で回ってみた日々の記録です。

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