(三)
俺は、顧問の所に行き部活を早退することを告げると部室に戻って着替えをした。
そして部室を出てグラウンドから校門の方へ歩いて行くと、サナさんがやってくるのが見えた。この前と同じ、淡い桃色のワンピースに黒のカーディガン姿だった。今日は長い黒髪を左右に分けてお下げにしていたが、足元はこの前と同じ、スニーカーだった。
「行くわよ。急いで一緒に来て」
そう言うと、サナさんは俺の左手首を掴んだ。
「行くって、一体どこへ?」
「いいから、行くわよ」
サナさんは俺をグイと引っ張りながら、校門の方へと向かった。
校門の前にはエンジンがかかったままのサナさんの車が停まっていた。
サナさんは俺を助手席の前まで引っ張ってくると「さあ、乗って。すぐに行くわよ」と言いながら運転席に回った。
俺は車のドアを開けて助手席に乗りこんだ。
ドアを閉めると、サナさんは車を発車させた。
(続く)
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