(一)-3

 彼女の名前は久宝くぼうミカという。俺と同じ高校一年生だった。俺は地元の県立川居高校に通っていると言うと、彼女は熊井くまがい市内の女子校に通っていると教えてくれた。

 そこで俺はメッセージアプリのアドレス交換をしないかと提案したところ、彼女は笑顔を見せて「いいよ」と言ってくれた。そうしてスマートフォンの赤外線通信で連絡先を交換しているときに、彼女と一緒にいたお姉さんが戻ってきて、Tシャツをくれた。俺はそれを受け取り、お礼を言った。お姉さんとミカさんは改めて謝罪してくれた。そしてお別れをした。別れ際にお姉さんは久宝サナと名前を教えてくれた。ミカさんの姉だったのか。

 そうしてから、俺は二人と別れると、トイレに入り着替えてから家に戻った。


(続く)

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