第6話
僕が元気に自己紹介をすると、スマホに表示されているコメントが結構早い速度で動いていく。
コメント
・片手にカメラ、片手にスマホ……アホかな?
・今までのダンジョン配信者の中でもトップで頭の悪い状態だろ、こいつ。
・蛮勇にも程がある。
・普通にかっこいい。
「待って!?今、かっこいいってコメント見えた!女の子かな!?女の子かな!?」
僕はコメント欄に流れた一つのコメを見逃さない。
確実にそこには僕をかっこいいと告げるコメントがあった。
コメント
・テンションぶち上がってて草
・こいつおもろいかもしれんw
・女に飢えてて草
・そんなコメントはないです。
・というか、仮面つけているだろ。何言ってんだ。
「ありましたぁー!こちとら女にモテる!の一心で冒険者になっているんですぅー。そりゃ気合が違いますよー」
僕はコメントを見て言葉を返す。
「よし。いい加減真面目にやらないと魔物にぶち殺されるから真面目にやろう。流石に両手塞がれているのは不味いので、スマホはしまうね。コメント見れなくなるからよろしく」
僕はコメントが流れているスマホをぽっけにしまう。
「やっぱりコード邪魔やな……絶対もっと良い配信方法あるよ」
カメラとスマホをつなぐコードに若干苛つきながら、僕は腰に下げていた剣を抜く。
「基本的に僕は剣を使って戦っていくスタイルだね。僕は伝説のぼっちなので索敵、近距離、遠距離、防御、回復をすべてこなせるオールラウンダーなソロプレイヤー。今、僕が配信なんてことが出来ているのは仲間がいないからこそだね。仲間がいたら何ほざいてんだテメェ!とボコされちゃうね」
僕は気配察知を使いながら口を周り、ダンジョン内を歩く。
「あぁ、そう言えば言い忘れていたけど、ここは第4階層だね。すごくポピュラーな魔物であるオークとかによく当たるね……こんな風に」
僕は自分の隣に立っている木へと剣を振りぬく。
「……ふごぉ?」
僕の一刀によって倒された木。
そこの木に隠れていたオークが僕の前に姿を現す。
「せいやぁ」
突然隠れていたものがなくなり、驚愕の表情を浮かべているオークの首を僕はサクッと一刀で斬り落とす。
「んー。基本的にオークは馬鹿だからさっきのような待ち伏せ的なことを行っていたら上位種がいる可能性が高いんだけど……なんというかさっきのオークのムーブが上位種によるもなのか、素のものなのか若干微妙なラインだなぁ……僕の索敵範囲に上位種はいないし……多分大丈夫かなぁ?まぁ、おけやろ」
僕は一応説明とかもしながらダンジョンを進んでいった。
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