夢も希望もないけれど、それでも青く染まってます。

夕闇モトヤ

　自分の高校生活が退屈なものだとは思わない。

　人並みの成績を取り、人並みの交友関係を築き、おおよそ人並みの高校生活を送ってきた。

　それはいわゆる高校生らしさとでも言うのだろうか。

　どこぞの誰かと自分とで作り上げた高校生らしいを体現し、学校という社会の縮図の中で与えられた枷（かせ）に従い、定められた枠の範囲内で日々を送る。

　何事においても下位にはならないよう努力するが、上位を目指そうとはしない。

　極力目立たぬよう、本気でやっていると周囲に覗われないよう、適当に取り組む。

　そんな生活が気に入っている。

　そんな高校生活に満足している。

　だから、ありふれた日常の一幕に起きたその出来事は――。

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　　　鴫　柊摩くん

　　　鴫くんに伝えたいことがあります．

　　　放課後、本館４階視聴覚室に一人で来て欲しいです．

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　白波瀬　詩織

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