【間話】認識阻害眼鏡
認識阻害――それは人が何を知覚したか理解するのを妨げるもののことである。人からの認識を阻害するのだ。その術式は並の術士なら誰でも使える。しかし……
その術式を織り込んだ眼鏡――認識阻害眼鏡の入手は難しい。
そのような物が世の中に出回ってしまうと、犯罪者にとっては最高のお助けアイテムになる。また、皆が皆、認識阻害眼鏡をかけると人の認識力が落ちる。こういった理由で、使用には国の許可がいる。
では、認識阻害の術を発動しとけばいい、そう思うかもしれない。しかし、認識阻害の術はあくまで実践用であり、発動者がそこに居るという認識まで阻害してしまう。
認識阻害眼鏡は顔の認識を阻害するものである。
眼鏡のように発動しようと思うと、繊細な作業であり、結構な体力を消費する。
認識阻害眼鏡はアイドルなどの芸能人、国のお偉いさんなどが使用する。というか、大体はそういう人じゃないと許可が下りない。
ここでまたまた疑問が浮かぶ。
朧月三兄弟は何故に全員認識阻害眼鏡の許可が下りているのか。
これはこの三兄弟の今までの境遇が原因の1つだと言えよう。
幼い頃、幾度となく誘拐させそうになり、そして誰もが5度見する美しい容姿をもつ。大俳優なんかより目が眩む美しさ、これは基準を大きく上回っていた。
2つ目、三兄弟の母、美麗の圧が凄かったのだ。もちろんそれだけでは役所の人間も、受理しなかったであろう。美麗の仕事場を聞かされたのだ。担当の人は泡を吹いてぶっ倒れ、代わりの人が受理する程であった。つまりは半分無理やり許可をもぎ取ったのだ。それからと言うもの、美麗は役所の人から恐れられている。
美麗の職場は何なのか。
それはいつか分かる話である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます